第13話 出会いの裏
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来たのだ。
勿論バカ正直に信じたわけではなかった。
しかし、今までヨーロッパ各地を探したが、一切の手がかりすら掴めなかったのだ。ならば今はこれに賭けるしかない。
「アリア、今からそんな気合入れてもいざという時動けねーぞ?」
「大丈夫よ。あたしを誰だと思ってるのよ。神崎=H=アリアよ?」
相変わらず自信気に言うアリア。
「そうだったな」
クルトは笑いながらそう返すのだった。
* * *
朝食を食べ終わり、ゆっくりしていた二人だったが、気付けば時間がそろそろヤバい事に気が付いた。
「急がないと遅刻するな」
割と焦った声を出すクルトと対照的に、アリアは非常に余裕な表情。
「そんな焦る事ないでしょ。そこいらの車よりも速く走れる人間がいるんだから問題無いわよ」
「…それは俺の事を言ってんのかピンクツインテ」
「他に誰がいるって言うのよ?あんたがお得意の神速であたしを運べばいいだけじゃない」
「俺の能力はお前を運ぶ為にあるんじゃねえよ!」
「いいじゃない。こんな美少女をおんぶ出来るんだから」
「ざけんな。女の子をおんぶするのはおっぱいが背中に当たる感触を楽しむ為なんだよ。お前みたいなツンデレ貧乳娘をおぶっても何のメリットも存在しな―――ぐぼぉ!!」
全てを言い切る前にアリアの拳がクルトの顎を撃ち貫く。
オーラを込めた拳で殴られ、その場に崩れ落ちるクルトを殺すと言わんばかりの目で睨みながらアリアは底冷えのする声音で言う。
「…死にたいの?」
「ず、ずびばぜん…」
余りにもマジすぎる目に、クルトは冷や汗を流しながら二度と胸の話でからかうのは止めようと心に誓う。
まあ、今まで何度も胸の話題でアリアのアッパーを喰らっているので、二、三週後には同じ事を言うので、この誓いに意味など全くない。
寮を出た二人は、そのまま武偵校目指して歩きはじめる。
「んー。良い朝ね」
気持ちよさそうにアリアは伸びをする。
慎ましい胸が慎ましく自己主張するが、余りにも慎ましいので、クルトは憐憫の籠った目でアリアの胸を見る。
「ちょ、ちょっと……、ど、どこ見てんのよ……っ」
そんなクルトの視線(憐憫の眼差しは読み取れず)に気付いたアリアは真っ赤になりながら自分の胸を隠す。
「ああ……、すまん」
素直に謝罪を述べるクルトに対し、アリアは横目でチラチラ彼の横顔を見ながら。
「あ、あんたって……そ、その……るの?」
「え?なんだって?」
「だから……。あ、あたしの……む、胸に!……きょ、興味あ……るの?」
「あ、それはない」
―――ドガッ!!
即座に
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