第126話 宴 前編
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す。ご安心ください」
正宗は暫く何も語らず歩を進めた。
「揚羽、董卓はどうでると思う」
「皇帝陛下を廃位すると思われます。董卓の権力基盤を固めるには現在の皇帝陛下のままでは無理でしょう。既に世は乱世へ進もうとしている過渡期。悠長に権力を得ている暇などないでしょう。反発を受けようと董卓には自前の軍を持っております。それも精強でしられる涼州兵を。禁軍が足掻こうと手も足もでないでしょう。董卓が危惧しているのは正宗様。董卓は必ず最優先で正宗様の懐柔を試みるものと思われます。正宗様なら単独で董卓を蹴散らし、洛陽を掌握できます」
「皇帝陛下を廃位。董卓が推戴する次期皇帝は協皇子か?」
「はい。順当でございましょう。皇族の反対は少ないと考えます」
「私はどうすればいい」
「何もしなくとも構いません。正宗様は董卓が朝廷を掌握する間、今まで通り力を蓄えればよろしいと思います。勅が下ろうとのらりくらりとなされませ。董卓に正宗様の官位を解官させる勇気はございませんでしょう」
「勇気があればどうする」
「正宗様自ら全軍を率い洛陽に上洛し董卓を潰せば問題ございません。その場合、正宗様が帝位に強引につき、覇道を持って天下を掌握することになります」
「覇道」
正宗は一言だけ口にした。彼としては王道で帝位につこうと考えていた。しかし、覇道を選ばざる負えなければ、それで帝位につくしかない。
「董卓の出方次第では致し方無しか」
正宗は険しい表情を独白した。
「董卓も問題ですが、そろそろ公孫賛の件をどうにかすべきです。あの者はもう正宗様の敵でございます」
「分かっている。幽州牧の劉虞と仲違いするようにしむけろ」
正宗は友達であった公孫賛を潰すための指示を揚羽に指示する。彼の表情は哀しさ苦しさをない交ぜにした表情だった。
「風と稟に命を出します。策の成功のために烏桓族に助力を得ることお許しくださいますか?」
「許す」
正宗は感情を押し殺した声で言った。正宗は揚羽が烏桓族の者達に汚れ仕事をさせる腹づもりであることを感じとっていた。だが、それを敢えて口にすることは言わなかった。それを批判したところで、自らの最悪感を軽くしたいだけの偽善的な行為でしかない。幽州支配を確立するには幽州牧の劉虞と公孫賛を排除する必要がある。
「両名を排除すれば幽州は正宗様のものでございます」
揚羽は正宗の心の内を知りながらも気遣いはせず、正宗を鼓舞するように言った。
「そうだな」
正宗は短く言葉で返事すると宴の会場へと向いだした。その後ろを揚羽が付いていった。
「清河王!」
正宗が宴の会場に入ると柯最が声をかけてきた。柯最の服装は謁見の時とは違い純白で胸の部分
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