第五十五話 思春期H
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ったらしい。だが、廃スペックトリオのおかげというか所為で、実力がついたというのだから、人生って不思議なものである。
それにしても、あの時の人かー。レティ先輩も含め、全員管理局に就職したって聞いていたけど、みんな元気そうで何よりだ。図書室の先輩さんと廃スペック先輩は、また違うチームらしいが、あっちもあっちで名を轟かせているらしい。
管理局の仕事は実地での活動があるため、危険もあるようだ。だけど、レティ先輩の話を聞いている限りのメンツなら、なんか大丈夫そうだと思った。というか、ものすごく個人的に友人になってみたいです。なんにしても、先輩が無事であったことにほっとしたし、英雄さんもナイスです。
「ふーん、それでそれで。告白はしたんですか?」
「こ、こくひゃ……っごほん。告白はまだだ」
噛んだ。しかもなかったことにした。
「ちなみに聞きますけど、先輩って―――いや、なんでもないです」
「おい、今何をためらった」
「あははは、本当になんでもないでーす」
レティ先輩のジト目に、俺は笑って切り抜けた。さすがに今までに付き合った経験はありますか? と女性に聞くのは失礼だろう。15歳だから、まだ早い気もするけど、ここ異世界だしな。一応反応からして、副官さんを思い出すので初心のような気はするが。美人さんだから、今まで付き合った人とかもいるのかなって思っていた。
さて、しかしどうしたものか。恋愛相談なんて、前世でも1、2回ぐらいだし、相談相手は全員男だった。あいつらなら正々堂々とぶつかってこーい、ぐらいのことは言えたが、さすがに女子の、しかも先輩にそんな適当なことは言えない。いきなり告白できましたか? なんて聞いたのは、ちょっと不躾だったか。
「うーん、俺に教えられることねー」
「おっ、そうだ。告白はまだだが、準備できるものは先に準備しておいたぞ」
「さすが先輩。準備いいですね」
プレゼントとかだろうか。ラブレターかもしれない。確かにバレンタインとかは、そういう戦略だったよな。物に気持ちを込めるっていうのは、いい手かもしれない。
俺の褒め言葉に、先輩は嬉しそうにうなずく。そして、懐から丁寧にたたまれた1枚の紙を取り出した。なるほど、どうやらラブレターらしい。惚れたシチュエーションでも思ったが、先輩は意外に乙女だったようだ。それが微笑ましくて、ついにやにやしてしまった。
「後輩よ、その顔は普通にむかつくんだが」
「すんません。けど、手紙があるなら本当に準備万端じゃないですか。なんて書いたんですか?」
「……私は名前しか書いていない。だが、私が持つ精一杯の気持ちは込めたぞ!」
……ちょっと、待て。ラブレターなのに、名前だけしか書いていない? いや、そもそもその紙って、ラブレターじゃな
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