第三章 二話 スカーバレル幹部総会
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には移さないのが彼である。
「いやはや楽しみだネ。その小僧を嬲り殺しにするのが」
「おう」
バルフォスは酒を飲みながらニマニマと嫌らしい笑みを浮かべている。やはり、自分を倒した生意気な0Gドッグをボッコボコにして涙と鼻水の池でのたうち回らせてやろうと健康ならざる妄想を思い浮かべている。
「案外メテオストームで消し飛ぶかもしれんがネ」
「おう、それは困るぞ兄弟。あの生意気な小僧はこの手で殺してやる…」
グフフ、と聞く者の嫌悪感を刺激する笑声をあげてバルフォスは酒を飲み干した。
「まあ、わざわざカルバライヤからバゥズ級なんてもってきたからネ。無駄にしてもらっては困るヨ」
「心配するな兄弟。このバルフォス、二度も不覚は取らぬ」
何故エルメッツァの海賊がカルバライヤの重巡洋艦を保有するに至ったか、それはひとえにあのロデリック老人のおかげである。バルフォス、アルゴンの二人よりもさらに長い間スカーバレルの幹部を勤めていたあの老人はカルバライヤの出身で、昔のツテを辿り自艦やバルフォスの新造艦を工面したのである。
そんなスカーバレルの個性的な面々ではあるが、結局のところやっているのは海賊行為であり、多くの0Gドッグが好意的である理由はどこのポケットを探っても出てこないのである。
*
ファズ・マティ ドック
さて、ファズ・マティのドックである。
その一角に停泊しているオル・ドーネ級巡洋艦の海賊、ドミニコとキトは【手柄独り占めして幹部になっちゃうぜ計画】なる発案者のネーミングセンスに絶望せざるおえない計画を実行しようとしていた。
「ンフフフ……バルフォスの旦那に内緒で兵器庫から多弾頭ミサイルをくすねて来たでゲス」
「すげえなキト。見直した」
「ンフフフ……スカーバレルに不可能は無いでゲス」
「これで例の0Gドッグをぶっ殺すでゲス。ンフフフ……」
「ヌフフフ……」
「ンフフフ……」
デスペラードのブリッジに響き渡る不気味な笑い声×2。不健康である。
それはともかく、装備を整えたデスペラードは【手柄独り占めして幹部になっちゃうぜ計画】を実行に移す運びとなったのである。
続く
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