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宇宙を駆ける一角獣 無限航路二次小説
第三章 二話 スカーバレル幹部総会
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一仕事終え、人工惑星内に無数にある酒場の一角で無聊を囲っている彼にとっての親ビンであるドミニコの元に戻ったキトは暗い顔のドミニコに一つの提案をされた。

「さっき幹部達から俺たち下っ端に連絡があった」

「なんでゲス?」

「このファズ・マティに攻めてくるかもしれない奴らがいるらしい」

「ここにでゲスか?そんなバカな…ここは天然の要塞でゲス」

「そうだな。だが、その攻めてくるかもしれない奴らはバルフォスの旦那を倒したらしい」

「マジでゲスか!?……まさか!」

キトの脳裏に浮かんだのはネージリンスで彼らの仲間を一切の容赦無くタンホイザに叩き込んだ彼らにとっては銀色の衣を纏った死神にも等しい存在のことである。
だが、ドミニコはそれを否定した。

「ネージリンスで俺たちを潰した奴じゃない。旦那がやられた日時と俺たちがネージリンスで【勇敢に戦った】時と時期が被るからな。だから、あのバカデカイ銀色の船じゃない」

「そうなんでゲスか…ふぅ」

「そこで話は戻るがよ、俺たちでその攻めてくるかもしれない奴を倒せば…」

「この雑用に追い回される日々から解放されるというわけでゲスか!流石親ビン!」

「シッ!声を下げろ。他の連中に聞かれたら抜け駆けされるじゃねえか」

「ヘイ」

二人の下っ端海賊は酒場の隅っこでコソコソと密談を始めた。彼らがスカーバレルで栄達を図るにはそれ以外に方法はあるまいというわけである。



ファズ・マティ ドック

悪巧みを計画した悪党二人はさらに下っ端の下位構成員にコンパニオンの仕事を押し付けて自分達のの艦【デスペラード】の艦橋に篭り、ファズ・マティ周辺宙域の航路図を見て謀議を行っている。

そんな巡洋艦デスペラードからかなり離れた位置に、スカーバレルの幹部が一人バルフォスの新造艦、カルバライヤの重巡洋艦【バゥズ級】が係留されておりノーマルカラーからバルフォスのパーソナルカラーである黒に塗り替える作業が下っ端海賊を酷使して昼夜を通して行われている。
バルフォスをエルメッツァ宙域のラッツィオで撃ち破った0Gドッグへの復讐のためである。

「急げ!総会が終わる前に仕上げねえとバルフォスの旦那に締め上げられっぞ!」

「わかってるでやんすよ〜」

こっちはこっちでドミニコとキトのような海賊コンビがペンキの入った桶を片手にバゥズ級の周りを足場で覆って右往左往と塗装作業に狂奔している。海賊もつらいのである。

「マークはしっかり書けよ!じゃねえとバルフォスの旦那が他の幹部に舐められっからな!」

「了解でやんす」

スカーバレルのマーク……ようするに見掛け倒したが宇宙では見かけというやつもまんざらバカにできない。
姿を見た敵が逃げ出すように
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