第百七十六話 準備進行中
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信徒を増やす悪辣なテレーゼであるが、一度懐に飛び込んだ窮鳥は見捨てないと言うスタンスは変わることが無いのが彼女の利点と言えた。
テレーゼの浸透力は地球教よりズッと素早く、深く浸透する。平民と下級貴族にターゲットを絞っての行動で有るが故に、僅かの事でも感動され、敬愛される。その為に多くの人が彼女を支持するのであるが、多くの門閥貴族やフェザーンにしてみれば、所詮は下賤な平民や下級貴族からの支持など、影響力が少なすぎると、余り問題視されない状態で有った。
門閥貴族、フェザーンにしてみれば、この数年来精力的に成り次々に新しい治世を行う皇帝の働きに目を光らせ、その原因であると考えられているグリューネワルト伯爵夫人に目が行く事に成っており、全くと言って良いほど武勲がないのにもかかわらずスピード出世するラインハルトが悪目立ちする事で、テレーゼから目が離れる要因にもされていた。
帝国暦485年12月24日
■銀河帝国 イゼルローン回廊 イゼルローン要塞
イゼルローン要塞で、GIO48のコンサートが行われていた。
「みんな、愛してるよ♪」
「いえい♪」
「ヘイ!ヘイ!ヘイ!」
イゼルローン要塞特設会場では50万人もの観客で埋め尽くされていた。12月24日から1月3日まで11日間に渡る史上最大規模のイベントに大規模立体映像など、劇場艦ゲフィオンの機材が大活躍していた。
イゼルローン要塞の構成人員550万人に今回の遠征軍286万人に装甲擲弾兵50万人合わせて886万人強全員にチケットが発行され昼と夜の部で必ずどちらか一回には参加出来るようになっていた。更に、放映自体は録画を含めて24時間放映されているために、捕虜の間でも視聴されていた。
既に宗教観が無くなって早10世紀ほどであるが、それでもクリスマスは祭りとしては残っていたが、今年は特に、このイゼルローン要塞から初めて帝国全土へ生放送される“クリスマスから新年までぶっ続けライブ485&486”により、例年にない盛り上がりを見せ。立体TVは近年に無いほどの高視聴率を得ていた。それほど、皆が娯楽に飢えていた証拠であり、テレーゼ商法の成功と言えた。更にこの放送はフェザーンのTV局へも放映権が売られて、フェザーンから同盟本土へも流されていた。
GIO48は同盟、フェザーンにも無い新たな音楽として、既にフェザーンでライセンス生産された音楽媒体が同盟本土でも流行の兆しが見え始めていた。文化侵略が始まっていたのである。更に同盟からの資金が売り上げという形で帝国へともたらされる事にも成っていた。
皆が皆盛り上がる中、ラインハルトと、キルヒアイスだけは、タンホイザーの自室にいるか、艦橋でブツクサと2人だけで話しているだけで、完全に周辺から浮いていたが、ラインハルトにして
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