第百七十六話 準備進行中
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485年12月23日
■銀河帝国 イゼルローン回廊 イゼルローン要塞
イゼルローン回廊同盟側出口から1000隻程の艦艇が10数隻の輸送艦を護るように帰投してきた。
「元帥閣下、ツェルベルス作戦艦隊旗艦グナイゼナウのレンネンカンプ少将より入電、“我無事収容す”」
それを聞いたエッシェンバッハ元帥が“ウム”と頷き、オフレッサーが無言で頷く。
その横ではテレーゼが、にこやかに元帥に話しかけている。
「元帥、総監、皆無事帰還できたようですわね」
「御意、此で無駄に兵を損なわなくて済みます」
「極寒の地で数年、よく頑張ってくれたものです」
「無事なのは良い事よね」
「「御意」」
数時間後、無事に要塞へ入港してきたレンネンカンプ以下の将兵とカプチェランカ駐留の陸戦部隊全員をテレーゼとエッシェンバッハ元帥、オフレッサー上級大将が出迎えた。
グナイゼナウから降り立つレンネンカンプ以下の面々は、皇女殿下自らと宇宙艦隊司令長官、装甲擲弾兵総監の出迎えに驚く。
「皇女殿下、司令長官閣下、総監閣下には、この様な所まで、お越し頂き恐悦至極に存じます」
レンネンカンプが杓子ばった表情で緊張しながら頭を下げる。
それを聞いたテレーゼは“Mrレンネンは真面目な堅物だからねー”と思いながらも、それをおくびにも出さずに労いの言葉を述べる。
「レンネンカンプ提督を始めとする各員の皆、良くやってくれました。御苦労様です」
皇女自らの労いの言葉にその場にいたほぼ全員が感動に包まれていた。普段なら貴族出身者の上役から罵声こそ浴びても労われることなどほぼ無かったのであるから、その上で雲の上の存在と言える皇女殿下から直接のお褒めの言葉である。彼等は否応無しに帝国の変化を感じる事と成った。
「卿等のお陰で、装甲擲弾兵の仲間を救出できた。ありがとう」
オフレッサーからの感謝の言葉に、レンネンカンプ以下も狐に化かされたような表情で驚いていた。
その後を継いでエッシェンバッハが述べる。
「卿等御苦労であった。卿等の働きにより無事、ノルトラント旅団の撤収が出来た。此により無駄な命が失われずに済む。此より卿等には1週間の休暇が与えられる故、英気を養うように」
エッシェンバッハの話を聞いて、皆の頬が緩むのが判った。
艦隊員が点呼の後、歓楽街へ散っていくと、テレーゼ達は続いて、カプチェランカ駐留のノルトラント旅団関係者の謁見を行う。
第111竜騎兵旅団ノルトラント、総員数九千名強を誇る独立混成旅団であり極寒のカプチェランカに10年にわたり駐屯し同盟軍と干戈を交えて来た部隊ではあるが、戦略的、戦術的価値も無いにも係わらず、只単に、上層部の一度取った場所を明け渡したくないなどと言うくだらないプライドにより多くの血を流し
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