狩りその2
[1/4]
[8]前話 [1]次 最後
夜の山中を歩いた事があるだろうか?歩いた者は解るだろうが真っ暗で何も見えない
月が出ていれば開けた場所なら割と見えるが木々の生い茂る中に入れば……言わずもながらだ
だからこそ現代では暗視ゴーグルとゆう便利な物があるのだが三國の世には無い
まぁ人間の目には暗闇に対応する暗順応があるので暫くすれば自然と慣れる
素早く目を暗順応させるのは数多くある野戦の基本的な技術の一つである
全く何で俺はこんな事してんだ?どうしてこうなった?
木々の隙間から月の光が洩れる以外は真っ暗だな……まぁ見えなくもないが
ギュッとツタを結び最後のトラップを仕掛け終え辺りを見回すが姿はおろか気配もない
まだこの近くには居ないみたいだな……酷く気疲れしているのは女絡みだからか?
何度目か解らないデカイ溜め息をして妙に重い身体を動かす
俺の冤罪の為に散った(死んでない)奴等の仇をとらねぇと寝覚めが悪いからな
「それじゃ始めるか【狩り】ってヤツをよ……」
消した気配の痕跡あえて残して行動する……まるで深淵に誘う道標の様に
足跡、匂い、音、スカウトの連中は僅かな材料でもあれば地獄の果てまで追ってくる
多分あのお嬢ちゃんもその類いだ間違いない、だからこそやり易いってもんだ
あくまでも自然と……解る者しか気が付かない程度から時には大胆に気配を晒す
緩急のつけ具合がミソなんだ、まぁ本来こんな細かい事はあんまりしたくねぇけどよ
段々と若々しい気配が近付いて来るのが手に取るが如く解る
こうまで解りやすいと挨拶(悪戯)の一つでもしてやりたくなるが我慢しないといけねぇ
なんたって折角苦労して仕掛けたんだ……しっかり遊ばねぇと勿体ない
自分でも今すげぇゲス顔しているなと思ったのは内緒だ、大人気ないからな
さて……そろそろ狩り場へ御案内しましょうかね、雪蓮にもお礼しなけりゃならん
「案外速いな、全く歳は取りたくないもんだ」
「御使い様……逃がしませんっ」
目の前の大きな木の枝の上にちょこんと周泰がいた
「嬢ちゃん、こちとら被害者なんだ手加減出来ねぇぞ」
「被害者……?何だか分かりませんが天誅っ!」
木の枝から猫が飛び掛かる様に暁に襲いかかるがヒラリと避けられあっと言う間に逃げられる
一筋縄では行かないと分かっていたけど私の攻撃をあんな簡単に……
何事も無かった様に逃げる暁を見て落胆するも素早く追撃を開始する
(御使い様の背中は見えている、捕らえるのは時間の問題です
特殊加工をしたこの墨で天誅してやります!恥ずかしい所見たのが悪いんです!
でも……私も見くびられました、こんな幼稚な罠に引っ掛かるとでも思っているの?)
軽快な動きで罠を避け、あるいは破壊し速度を緩める事なく突破していく
(足止めにもなら
[8]前話 [1]次 最後
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ