第一章 精霊
第1話 運命を変える封筒
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それを手にとって表の面を見ると『大切なお知らせ』と書かれていて、裏には統括理事長という文字が書かれていた。
「えっと、統括理事長って学園都市でとても偉い人だよね?」
レベル0であり普通の女子中学生の人生を歩んできた佐天にはとても縁の無い人物からの封筒だった。
いや、普通の人生というのは少し語弊があったか。御坂達の一緒に行動する内に色々な事件に巻き込まれたのは事実だ。
だからといって統括理事長が直々に封筒を渡してくる程でもないだろう。だからこの封筒に少し違和感を覚え始めた。
「……実は送る人を間違えたとか?」
それならいいのだが、佐天涙子という名前のどこに間違える要素があるというのだろうか。
疑問は耐えなかったが、とりあえず佐天は筆箱からハサミを取り出して封筒を綺麗に切る。中に手を突っ込むと、折りたたまれた一枚の白い紙が入っていた。
「ん?」
白い紙を取り出したところで封筒の違和感に気づく。封筒の底が少し膨らんでいたのだ。
「まだ何か入ってる?」
ゴソゴソと手を動かしてそれを手に取る。それは耳当ての部分を切り取ったような機械質なものが入っていた。通信機にも見えるそれは佐天も見たことがなかった。
そこには、佐天の聞いたことのない言葉が書かれていた。
同時刻
本当に人生は何が起こるか分からないものだ、とつくづく思う。
例えば今の自分の状況なんてそうだ。一年前の自分が今の自分を見たら何て言うだろうか。
最強の名を欲しいがままにし、ずっと一人で学園都市の頂点に立ち続けていた自分が、能力がフルに使えない状況に陥って女に囲まれながら適当に過ごす日々を送っているなど。
確かに昔よりは暇ではなくなったと思う。誰かと話すというのも悪くないと思えるようになったし、誰かを守るということもしている自分がいることも確かだ。
そう、今なら思える。こんな生活も……
「だー!!ってミサカはミサカはあなたのお腹に飛び込んでみたり!!」
「……」
「あれ?これでも起きないの?ってミサカはミサカは少し疑問に思ってみる」
「……」
……やはり人には不向きというものが存在するのだ。
それが例え、学園都市レベル5の第一位だとしても。
「……うぜェ」
白髪の青年、一方通行は鬱陶しそうにベッドの上で思わず声を漏らしていた。
今自分の腹の上に乗ってきている打ち止め(ラストオーダー)はあの学園都市レベル5の第三位、御坂美琴のクローンである。妹達の一個体で検体番号は20001号だが、最後に造られた上位個体。製造途中で培養器から出たせいか外見は十歳程度にしか見えないが、これでも妹達の
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