第一話
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の魔法の着弾地点を割り出す。王さまは細かい操作が苦手だからね。その分効果は折り紙付き。
「少し密集しているところもありますが、作戦に支障は来たしません。何時でもどうぞ」
「うぬ。せいぜい倒し過ぎんよぅ気を付けるか」
王さまの足元に正三角形の光り輝く紋様――古代ベルカ式魔法陣が展開される。すると彼女の体から圧倒的な存在感を放つ魔力が吹き荒れる。それらを王さまは、目の前に大小の円形魔法陣を展開し、闇の如く深い紫色の球体を作り出す。濃縮された一つの力……!
ただ見ているだけで、ただそこに存在するだけでプレッシャーを感じる……肌がピリピリして痛いぐらいだ。それを今から放たれる連合軍はどう思うのだろうか――それも、今すぐわ分かること。
「殲滅地点A、D、Gに動きあり。どうやら魔法の詠唱は開始している模様。これは、転移……?」
「尻尾巻いて逃げる気か……? まだ戦争は始まっておらぬというのに……いや、今から我がその口火を切ってやろうぞ。シュテル、そ奴らを撃つ」
「承知しました。ジャガーノート保有魔力80%。敵の殲滅に必要な魔力12%……はい、大丈夫です」
「――第一から第三魔法陣稼働」
王さまのその言葉に反応し、魔法陣が回り始めて空間が揺れる。
「射程角度の修正完了。空気中に不純物無し。臨界点突破。発車まで5、4、3、2――」
「蹴散らせ――ジャガーノート」
三つの巨砲が轟音を鳴り響かせて発射される。俺もエリアサーチで現場の敵の状況を確認する。もしもの時のために、フォローに回るためだ。
放たれたジャガーノートは空間を走る。遥か上空からスフィアを飛ばしているから、三つの光の筋が伸びている光景が見える。
「A地点着弾まで5、4、3、2、1……着弾」
……うわぁ……エゲツないな。流石王さまだ。喧嘩しても戦うのはよそう。
俺がそう思うのも無理はないと思う。だって目標地点にたどり着くと、そこを中心に闇が全方位に広がって、晴れたら無数の敵が倒れ伏しているのだから。当たる直前に障壁を張ったように見えたけど、そんなもの知ったこっちゃねぇと言わんばかりに破壊。慈悲はない。
「敵は今ので動揺しています。叩くのなら今です」
「よし。どんどん行くぞ!」
そう言うとシュテルは頷き、目標地点を王さまに伝え、それを彼女が狙い撃つ。狙い撃つって聞いたら射撃を思い浮かべるけど、これは違うよなぁ……。
何度か撃っていると、王さまの魔法の影響でクレーターだらけとなっていた。しかしそれでも人は死んでいないのだから非殺傷設定って便利だ。
しかしそれでも敵はまだたくさん居る。王さま途中で切れないかな? めんどくさいって。そう思い、第三波を撃った王さまを見たその時だった。俺の視界に今まで
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