第一話
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は大きく分けて二つ。
一つ目は、広範囲殲滅魔法による敵軍への攻撃。目的は相手の士気を下げること。
「ああ、それと。今回の戦争で注意して欲しいことがあります。非殺傷設定を用いて使用してください」
「何故だ? まさかこの後に及んで殺しは御法度などと抜かすのではなかろうな……?」
ディアーチェから覇気が発せられる。戦いでそのような甘く愚鈍な考えは許さない、という意思表示だった。床や窓ガラスにヒビが入る。
「いえ、これはフールからの提案なのですが……これには明確な目的があります」
敵をただ殺すのなら、誰にでもできることだ。敵味方関係無く。この世界の魔法は特にそういうことを行うのが容易で、下手をしたら子どもの一声で大人が消し炭になることだってある。
しかしそれをあえてしない。敵を殺すのではなく負傷させる。
「そうすれば、敵の人員を割くことができます」
「……なるほど」
「へ? なんで?」
ディアーチェは納得したようだが、レヴィは分かっていないようだった。頭の上に幾つものハテナを浮かべて首を傾げている。ちなみに前世の頃の精神に引っ張られて殺したくないと言ってきまった何処かのFさんはディアーチェの言葉にただいま内心ガクブル中。いい加減覚悟を決めるべき。
「良いですか、レヴィ。敵は私たちとは違って復活できない人間です。死んだらそれまででですが、逆に言えば死ななければ助かる可能性があります」
「うん、そうだね」
「さて、ここで問題です。私たちが怪我をして倒れていれば、あなたはどうしますか?」
「助ける!」
「そういうことです。つまり非殺傷にすればそれだけ助かる命は増える=助ける人間が増える。つまり戦う人間は減りますよ」
レヴィは感心して、おーっと言いながら目を輝かせてユーリに向かってパチパチと拍手を送る。隣にいた戦争未経験の元一般人もホヘーと呆けていた。この作戦の立案者となっていることに気づかずに。
「それに加えて、なるべく派手な魔法を使ってください」
「そうすれば、相手は何時でも殺れると理解するだろうなァ。なら我が一番適役だな」
シュテルが頷く。この作戦でディアーチェは最も適任であり、最も効果を発揮する人物だ。魔力量もユーリを除けば一番多く、覚えている魔法もフールに並ぶ。シュテルやレヴィ、ユーリ、フールも一応広範囲殲滅魔法を使えるが、この次の作戦を考えるとあまり魔力を使うべきではない。
「一応私たちも手伝う予定ですが……」
「良い。我一人で十分だ。うぬらはうぬらの役割を果たせ」
「……そうさせてもらいます。では、次の作戦です」
敵にはすでにこちらがグレートブリッジ奪還作戦の概要を把握していることを把握しているはず。だから
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