影と絶
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らない。
対するユウキは俺の意図を感じ取ったのか先程よりも攻撃的な雰囲気を纏った正眼の構え。
「……行くよ!」
そして、場の緊張が最高潮にまで高まった瞬間、ユウキは掛け声と共にこちらに向かって駆け出した。
俺はそれを見ながらも動かない。完全に待ちの姿勢を取る。
「……やあっ!」
ユウキは微かに訝しげな表情を浮かべるも、スピードを緩めることはなく、そのまま突っ込んで来て剣撃を放つ。
高速で放たれた突きを鞭のように柔らかくしならせた腕の動きで剣の回転に巻き込み後ろへ流す。
しかし……
「なっ!?」
思わず出た驚きの言葉はユウキが受け流された勢いそのままにこちらにラリアットをするかのごとくぶつかって来たからだ。
そして、ぶつかってくるユウキの左手は固く握られ、そこにはソードスキルの発動を表すオレンジ色の輝きがたゆたっていた。
「せりゃぁぁ!!」
凜とした気合いと共に放たれた単発体術スキル《フロント・フィスト》が俺のガラ開きの身体に叩き込まれ、激しいノックバックを発生させた。武器を装備していない素手での発動だったため、ダメージはそこまででもないが衝撃によるスタン効果が痛い。
後ろに跳んで追撃に備えようとしてもユウキのスピードならば一瞬で詰められて終わりだろう。ならば……その場で踏ん張って迎撃する。
「りゃあっ!!」
ユウキの振り絞った剣が青紫色の光を纏う。
システム外スキル《スキルコネクト》を使う関係上、俺が使う片手直剣、投剣、鞭(鋼糸)、体術に関するスキルは初動から属性、軌道に至るまですべて記憶しているのだが、ユウキの現在の構えから発動し、かつ青紫色のソードスキルの発動光持つ既存のソードスキルは存在しない。つまりユウキの使用しようとしているのはオリジナルソードスキルということになる。
ユウキの剣速から繰り出されるソードスキルとなると初見での受け流しは不可能。となれば……
こちらもソードスキルを使い、自分のHPが削り切られる前にユウキのHPを削り切るしかない。
もともとSAOからのコンバート組である俺のHPは客観的に見てユウキよりもかなり高い。しかし、剣速はあちらの方が上で秒間当たりの破壊力DPSはユウキに軍配が上がるだろう。
そしてソードスキルを既に発動しているユウキの攻撃が先に発動する。
こうやって脳内でシュミレートしてみてもやるしかないのだが。
「っ!!」
短く息を整え、ユウキの青紫色の色彩を纏った神速の突きが着弾する前にソードスキルを発動させる。
片手剣三連撃ソードスキル《メテオ・ブレイク》
俺のソードスキルとユウキのソードスキルが交錯し、ダメージ痕を辺りに散らす。
ユウキの神速の突きは五つ。右上か
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