心の強さ
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でしっかりと固定されたそれは、いかにも実験途中といった感じの無骨なアルミニウム製の基部の上にアクリル製の透明なドーム。中にはカメラと細やかな機器やコードが覗ける。
現在はそのプローブから伸びる二本のコードを俺のスマホと電算機室の備品であるコンピューターに繋いで最終調整を行っているところだ。横を見れば明日奈も同じ機械を取り付けられている。
「おーい、カズ。彼女にばかり夢中になってないでこっちの最終調整を手伝ってくれよ」
「了解了解。えーと、とりあえずこんなもんでいいか。じゃあすまんがあとは頼む」
「おう、任せとけ」
ケンが声をかけると、和人は明日奈の方で作業をしていたもう一人の男子生徒に任せると、こちらに寄ってきた。
「えーっと、どこまでやった?」
「とりあえず初期設定をだな。一応確認してくれ」
和人がその言葉に一つ頷くとコンピューターを弄り始める。隣から聞こえてくる明日奈とユイの会話を聞き流しながらボーっとしていると、和人がカメラに向かって話し掛けてきた。
「ユウキ、聞こえるか?」
「うん、聞こえてるよー!」
「カメラの初期設定をするから視界がクリアになったら合図してくれ」
「うん、わかった」
和人とユウキのやり取りは半分以上上の空で聞き流しているといつのまにか終わっていたようだ。
「ようし、これで終わりだな」
疲れた様子で椅子に座り込む和人班の面々。
突貫工事でかなり疲れたようだ。
「さてと……街でも回ってみるか。明日奈も行くか?」
「あ、うん。行く行く!」
「楽しみです。パパも行ければいいんですが……」
元気よく答えた明日奈に続いて、明日奈の右肩に付けられたプローブからユイの声が聞こえた。
パパ、という言葉を聞いた和人を除く和人班の面々が目を見開いて固まったが気づかないフリをする。
「和人はまだ用事があるみたいだからな。ほら、時間は有限だぞ?」
明日奈の背中を押して電算機室から退室する。背後の電算機室がなにやら騒がしいが、気にしない。
職員室によってユウキとユイの紹介と明日の授業への参加許可を取り付けてから学校を出る。
途中、肩に装着している機械の物珍しさからか何人か、知り合いに声をかけられた。
とは言え一言二言話しただけで別れたのだが。
「視線が鬱陶しいな」
知り合い以外の人からの興味の視線が多く、正直ウザい。ただでさえ有名な明日奈や俺が連れだって歩いているのだから仕方ないのだが。
「あははは……まあ、こんなものを付けてれば仕方ないよね」
「すみません、私たちのせいで……」
「あー……ごめんね?」
「あっ、ユウキとユイちゃんが悪いとかじゃないよ?」
二人の落
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