心の強さ
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次の日の放課後。電算機室を目指して第二校舎の三階の廊下に移動すると明日奈とバッタリ出くわした。
日が傾き、少々薄暗くなってきていたので危うくぶつかりそうになったのだが……なんとか回避できた。
「あれ?燐君、こんなところに何の用事なの?」
「こんなところにって……。まあ、恐らく明日奈と同じ理由だ」
和人は明日奈が来るなんて一言も言ってなかったがユイのために来たのだろう。ユウキのために来た俺と同じ理由で。
「ああー……ユウキ……」
左の手の平に軽く握った拳をポン。
何というか忘れてたなこいつ……。
しばらく無言で見ていると明日奈は慌てて表情を取り繕うと顔の前で手を左右に振る。
「わ、忘れてたわけじゃないからね!?本当だよ?」
ごめん、全く信用できない。
なので俺はため息で答えた。
「……とりあえずさっさと行くぞ」
「う、うん。わかった」
明日奈と一緒に電算機室の扉を開けるとパソコンを睨みつつ、顔を寄せ合ってヒソヒソと話している和人とその仲間達(三人)がいた。
電気も付けず、斜陽の中でそうしている姿は完全に変質者に見える。
「……とりあえず電気くらいは付けろよ、和人」
部屋の入り口付近にあったスイッチを押して電気をつける。さすがに明るさが変化にしたのには気づいたのか、顔を一斉にあげてこちらを見た。
「お、来た来た。明日奈、燐。早速だけどこっちに来てくれ」
手招きに従って少々埃っぽい電算機室の中に入り、とりあえず和人の前まで移動。
「じゃあ明日奈はこっちの椅子。燐はあっちの椅子に座ってくれ」
「うん、わかった」
「じゃあ……設置するか。燐の方はケンに頼むな」
「了解。えーっと、黒の……じゃなくてリンはこっちに来てくれ」
和人の愉快な仲間達その一。黒髪で眼鏡をかけた少々オタクっぽいケンと呼ばれた少年の言葉に従い、椅子に座る。
「利き手はどっちだ?」
「両利きだな。強いて言うなら左か……」
元々左利きで右利きに矯正されたのだが、完全には矯正仕切れず、親がうるさいかったので主に右をを使っているが、今でも左の方が得意だ。とは言えどちらも同じ位使えるのであまり気にしたことはない。
剣の構え方もどちらかと言えば右利きのやつの構え方になってるし。
「そうか……わかった。じゃあ背筋を伸ばして少しじっとしていてくれ。あ、携帯かスマホを持ってるか?」
「和人に持ってこいと言われたからな。ほら」
胸ポケットからスマホを取り出すとケンに手渡す。するとケンはそのスマホを机の上に置くと俺の後ろでなにやら作業を始めた。
約10分後。
俺の左肩の上にはドーム型の機械が乗っていた。革製のベルトのようなもの
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