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Fate/magic girl−錬鉄の弓兵と魔法少女−
A's編
第八十七話 覚悟と選択する道 前編
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士郎が出た後、誰もが口を閉じたまま、プレシアとリインフォースの案内で部屋を後にした。
士郎が背負ってきたモノになんと言えばいいのかすらわからなかった。
それは子供であるなのは達だけではない。
年長者であるグレアムをはじめとするリンディ、レティ。
主を渡り記憶が薄れたとはいえ、あらゆる時代を歩んできた守護騎士達。
彼らも同様であった。
信念を持つもの、犯罪を犯したもの、色々なタイプの人間を見てきた彼らですら理解が追いつかない。
否、理解出来ない者達は過去にはいた。
だが、目指す場所も、その理想も理解できながらも理解できないモノというのは初めてであった。
多くを救うために少ないほうを
切り捨てる
(
殺す
)
。
言葉にすることは簡単だが、実行できるかと自問したとき、答えることは彼らには出来なかった。
そして、彼と共に歩むことが出来るのか即答することが出来なくなっていた。
数人を除いて
その数人に含まれるプレシアは全員を客室に案内した後、鍛冶場に向かっていた。
理由は単純
士郎が部屋にも地下室にもいないことから工房だと判断したためだ。
そのプレシアの予想通りに士郎はそこにいた。
「どうした?」
静かに士郎がプレシアに振り返る。
「士郎、貴方はアレでよかったの?
誰もが貴方を拒絶するかもしれないのよ」
士郎を心配するプレシア。
「かもしれないな。
だがいつかは話さねばならなかった。
ならば少しでも早いほうがいいだろう」
だがプレシアの心配を他所に士郎はただ穏やかであった。
皆の答えをそのまま受け入れる。
それが例え拒絶や嫌悪だとしても、敵としての殺意だとしても
今までも、そしてこれからもそれは変わらない。
無論、士郎自身、感情がないわけではない。
拒絶や嫌悪されることに、敵意を向けた相手を傷つけることも苦しみ、悲しむ。
だがそれを表に出すことはない。
感情を殺し、表情を消すために仮面を被る。
その事に慣れてしまっている。
なにより
「……そうかもしれないけど、拒絶された場合はどうするの?」
「なのは達に拒絶された場合は学校も退学して、こちらでのバイトも全て辞める。
局の仕事はグレアム提督に顔を合わせることのないように頑張ってもらうさ。
管理局に拒絶された場合は裏の世界に身を隠す。
プレシアや、はやて達の事はうまくやるさ」
プレシアの問いに淀みなく答える士郎。
士郎自身が己の話をする前に拒絶された場合の選択肢を既に決めていた。
「……士郎」
だがその中で浮かぶ士郎の壊れてしまいそうな寂しさを感じる表情。
精神は肉体に引き
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