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Fate/magic girl−錬鉄の弓兵と魔法少女−
A's編
第八十七話 覚悟と選択する道 前編
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てが士郎とこれからも歩んでいくのかということである。

 はやての部屋を訪れる前にリンディ達と顔を合わせた際にグレアムの立ち位置はすでに伝えてある。

「私は彼を拒絶することも危険と判断することもない。
 例え彼に殺されてもだ。
 管理局の立場は君達が決めなさい」

 管理局が士郎を危険視、敵対してこの命を奪われたとしても彼を擁護する立場を貫く故に、リンディ、クロノ、レティの三人に判断を一任した。

 だがここで大きな問題が発生する。
 士郎の味方は誰かという点である。
 グレアムにとって最悪な想定ははやて達が士郎を擁護し、管理局が士郎と敵対したときである。
 
 特に守護騎士たちは蒐集の償いとして管理局業務への従事があるため最悪、士郎とぶつかることになる。
 無論命令を拒否すれば情状酌量が問題視される可能性もなくはない。

「そのことですか。
 ああ、シグナム達がここに来たのももしかして」
「はい。主はやての意思を確認したく」

 ここで、部屋が別のヴィータ以外の守護騎士がなぜこの部屋に集まったのかをはやては理解した。

 そして、はやての答えは

「私は士郎君と一緒に居るよ。
 士郎君がやってきたことが正しいかは正直わからへん。
 やけど私達を助けるために戦ってくれた。
 私にはそれだけで十分な理由や」

 明確に固まっていた。

 はやての言葉に静かに頷き、同意するシグナム達。

 その様子にグレアムも一安心といった様子で頷く。

(これで彼の味方は大丈夫だ。
 あとはリンディたちの答次第だが、もしその答えが彼に刃を向けるものだとしたら、私はどのような罪を被っても彼と彼女達を逃がしてみせる)

 それぞれの思いを胸に夜は更けていく。
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