学園7
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次にロールはアルスを指名する。指名されたアルスは、椅子から立ち上がってすらすらと説明を始める。
その姿は、貴族の者特有の独特な威厳のある姿だった。
こんな小さな所作でも、ローライド家の風格が少し伺える。
周りの生徒からも尊敬の眼差しで見つめられる中、アルスは説明を続ける。
「使い魔とは一緒に戦うパートナーのようなものです。契約を結び、それに成功することが出来れば、いつでも呼び出す事が出来ます」
「二人ともありがとう。皆もしっかりと復習してきたな?それじゃあ闘技場に集合だ。解散?」
最後まで堂々とした姿勢を崩さずに説明を終わるアルス。二人の説明が終わり、全員に確認を取るとすぐに解散の号令をかけて、ろかは教室から出て行ってしまった。
他の生徒達も、ロールの号令を聞くと教室から次々と出て行く。
(魔武器はともかく、使い魔かぁ。……どうしよう)
ロールからの号令がかかり、クラスの皆が教室から出ていく中、サクヤは椅子に座った状態のまま動かずに考え込んでいた。
自分の正体が《黒銀の夜叉》だという事をバラす訳にはいかない。バレない方法が何かないかと色々考えるのだが、全くいい考えが浮かんで来ない。
難しい顔をして考え込んでいたその時、突然きてから声がかかり我に戻る。
「サクヤ早く行こ」
(まぁ何とかなるだろう)
何も案は浮かんでいないが、呼ばれてしまったために椅子から立ち上がる。その場の流れに乗って注意すれば、なんとかごまかせるだろうと思い、皆と共に闘技場へと向かうサクヤであった。
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