学園2
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「戦場では非情になりきるというあんたも、今ではマリア先生ってわけわ」
マリアと呼ばれた女性は、背はサクヤよりも少し高め、艶のある黒い髪を腰まで伸ばし、非情など微塵も思わせないような気品溢れる優しい雰囲気を醸し出している。
「そんな所です。黒銀の夜叉……いや、サクヤ君には高学部第一学年特進コースにいってもらいます。えっと属性は……」
「闇でいい」
優しい表情のまま話すマリアだったが、属性の話に入った所でサクヤに聞こうとする。
しかし、マリアが全てを言い終える前に一切の迷いもなく闇を選択するサクヤ。それを聞き頷くと、マリアはさらに話を続ける。
「そうですか。それとギルドランクはBでお願いしますね。黒銀の夜叉ってばれますから。では担任の教師を紹介します」
必要事項だけを簡潔に話すと、電話器を手に取りマリアは何処かに電話をかける。
口数も少なく、数分でおわる電話を切った後、五分程で扉をノックする音が聞こえ、一人の男が学園長室に入ってきた。
「紹介します。あなたの担任ロール・アムルック先生です」
「ロールだ。よろしく」
ロールと紹介された男性は短髪の赤い髪に、整った顔立ち。いかにも教師らしい清潔そうな印象を抱かせる身のこなしをしており、一言名前を言うとサクヤに手を差し出してきた。
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