三話 怪盗者(ひったくり)
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しだした。周りにはあまり人がいないのだが…
加奈は目を瞑った。
・・・
彼女の能力はサイコキネシス系統の暗言能力(テレパシー)。
暗言能力(テレパシー)とは口頭でなくても話ができる能力。
自分の念力(サイコ)を微弱に振動させ空気の波を作り、相手に伝えることで、聴感信号に直接発信でき、だから言葉を発せずとも話を伝えることができる。
それとサイコキネシス系統の彼女は逆に微弱な波動 (振幅数)でも直接感じることができるのだ。
10m先の人の会話を感じることができたり、誰にも聞こえないような超音波も感じることができる。
「加奈…どうした?」
目を瞑った加奈のその行動は能力を使う時の表情と仕草をしているのに気がついた広翔は直接聞いた。
空気の振幅数を感じているのだろう。
「あっちの方で何か騒ぎが聴こえる……」
歩いて来た道を指差し、説明した。
広翔にはもちろん聞こえなかったが、これは彼女の能力の作用であり、昔から見てきた広翔には確実性があることがわかっていた。
杏里は弱々しい顔で気のせいだろうと眺めている。
女子の声。商店街には人が少なく、よくその声は響いていた。
「つかまえてー!!」
と響き渡る声が聞こえてきた。
見ると黒めのジャージを着た男がこちらに向かって走って来ている。
"つまえて"とは、俺に言ったようだ。
右手には黒ジャージに似合わないピンクのカバン。必死に逃げる姿。
そして追いかける女子学生。
間違いない、今時似合わないぼったくりだ。
しかも意外と足が早い。加速能力(メーター)でも身につけているのだろうか。
こっちに来る。
「なに? ぼったくり?」
杏里は単純に顔をゆがませて悲観した。
「そうっぽいですね。」
もう近づいてきたため、
広翔は加奈たちと仕方なく一旦離れ、確保に向かう行動にでた。
普通に歩いているふりをしたら簡単に広翔のとなりに男が通ろうとした。
その瞬間、男の腹の溝にアッパーを入れ「ドゴッ!!」と深重い音を鳴らせた。
そのまま男は痙攣しながら転倒した。
普通のアッパーではない。能力を応用し、スタンガンのように拳に電流を流していたのだ。
・・・
男は無言で気絶した。
女の子もようやくこちらの様子に気づいて、疲れた様子で手を腰に置いた。
よく見ると緑の制服。科学技術高校の生徒のようだ。
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