学園
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二日後サクヤはパリス学園の正門の前にいた。さすがアングム最大の学園である。三学部すべてが合わさっている学園は、かなり広大な敷地を所有しており、始めて来れば確実に迷子になるであろう。
そんな巨大な学園の中を三十分も歩き続け、ようやく学園長室へたどり着いた。
「ここ、広すぎるだろ……」
地図を頼りに歩き続けたサクヤ。ようやく目的の部屋まで着いたのだが、広すぎる学園に愚痴を漏らしつつ、サクヤは扉をノックする。
「どうぞ」
中から声を聞き、サクヤは学園長室の中へと入っていく。先に挨拶をしようとしたサクヤだったが、扉を開けてすぐに挨拶をされてしまい少し驚く。意外にも扉の向こうにはよく知っている人物が待ち受けていた。
「お久しぶりです。黒銀の夜叉さん」
「なるほど……最近若い学園長に代わったとは聞いたが……。あんただったか、疾風の刃。たしかに長い間ティアラとコンビを組んでいたあんたなら、話はつきやすい」
扉の向こうに居たのは、少し前まではギルドで二つ名を持ち、サクヤと同じく活躍していた《疾風の刃》と呼ばれる女性だった。
「その名は少し前に捨てた物です。今はパリス学園、学園長マリア・セルリスです」
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