空白期 第6話 「大切な家族」
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今年の初詣は、シュテルやレヴィのおかげで非常に疲れた。
家に戻れば少しはゆっくりできるかと思ったのだが、待っていたのはお菓子作り。簡単なものしか作らなかったが、レヴィは大食いだ。簡単でも大量に作れば疲労する。まあ大量に作るのは大変ではあったが、彼女の食べた際に見せた笑顔や美味しいという言葉を聞いたとき、作った甲斐はあったと思えたが。
だが問題はその後からだった。
レヴィは何が気に入ったのか、やたらと俺に話しかけたり抱きついたりしてきたのだ。
会話はいいとしても、肌の触れ合いは恥ずかしい。しかし、それは俺だけでレヴィは異性を全く意識していないようだった。意識を異性から妹またはペットのようなものに切り替えることが出来なければ、今以上に疲れていたことだろう。
レヴィにじゃれ付かれる俺を見て、ディアーチェは同情したのか何度か助け舟を出してくれた。だがシュテルが絶妙なタイミングでからかいの言葉を言うので騒がしくなっただけで、結局俺とディアーチェが疲労した。
またユーリが意外と伏兵で、時折真っ直ぐ過ぎる天然発言をしていた。俺やディアーチェはその真っ直ぐ過ぎる発言に反応してしまうし、シュテルは妙に乗っかり事態をややこしくしていた。レヴィはあまり理解しているようには見えなかったが、理解しようとしなかろうと彼女の相手をするのは疲れるので結局は変わらないだろう。
――あれだけハードな一日だと、来年はひとりで過ごしたい気分だな。
「ショウ、何か元気ねぇぞ」
「そうやな」
声の主はヴィータとはやて。彼女達の少し後ろにはシグナムとシャマルもいる。
八神家と一緒にいるのは、彼女達を俺の家に招待したからだ。こうなった経緯は、数日前のはやてからの電話が発端である。内容としては、ふと思ったけど俺の家を知らない。だから今度遊びに行っていいか、といったものだった。
はやてとは高町達と比べれば長い付き合いだが、これまで彼女が俺の家に来たいといったことはなかった。おそらくだが、はやては自分の身体のことを気にして他人の家に行くということを避けていた。だから俺の家に来たいと過去に言わなかったのだろう。
今は身体も回復に向かっており、シグナム達がいる。何でもひとりでやろうとする傾向にあったはやてだが、シグナム達には多少なりとも甘えるようになっているようだ。前なら人の手を借りるなら遊びに行ったりはしなかったのだから。
「何かあったん?」
「ん、まぁちょっと知り合いとな」
「そうなん……予定あるんならそっちを優先してくれてええんよ。わたしは別に今日やなくてもええんやから」
「いや大丈夫。思い出して疲れてただけだから」
「思い出しただけで疲れる知り合い……」
ヴィータは何を思ったのか、視線を俺からシグナムへと向けた。それに気が付いた
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