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魔法少女リリカルなのは 〜黒衣の魔導剣士〜
空白期 第6話 「大切な家族」
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も私のことを責めようとしなかった。それによって救われた気持ちもあったが、一方でしこりのようなものをずっと感じていた」

 シグナムは右手を胸の高さまで上げると、それを静かに見つめる。

「この手がお前の命を奪っていたかもしれない。もしも奪っていたならば、今このときは存在しなかっただろう」
「シグナム……もしも、なんてない。今が現実だ。そして、俺は生きてる……だから」
「いや、この罪は忘れてはならないものだ。二度と過ちを犯さないためにもな」

 穏やかだが確かな決意を感じさせる表情を俺に向けたシグナムは、レーネさんの方へと視線を移した。そこに俺に見せた穏やかな表情はない。どんな罰でも受け入れる、と言いたげな真剣な顔つきだ。

「シグナム、そんな自分だけが悪いなんて言い方したらアカン」
「そうだ。あたしだってショウを傷つけたんだ。シグナムだけ罰を受けるのはおかしい」
「ひとりで抱え込まないで。前にも言ったでしょう……あなただけに十字架を背負わせたりしないって」

 はやて達の言葉にシグナムは驚いた顔を浮かべたが、すぐに優しげな笑みへと変わった。そして、罰を受けるのは自分だけでいいと言いたげに首を横に振る。

「シグナム、わたしはシグナムの主や。シグナムの罪はわたしにも償う責任がある」
「主はやて、あなたはすでに独断で動いた我らの罪を共に背負ってくれています。今回のことは私個人の問題なのですから、あなたが背負う必要はありません」
「わたしら家族やろ。家族の問題は家族みんなの問題や」
「……あなたは本当にお優しい方だ。ですが、今回ばかりは私の我がままを聞いて頂けませんか? 私も主に何かあればこの方のようになると思います。それだけに自分がしてしまったことの重さを……それが招く出来事をしっかりと胸に刻みつけておきたいのです」

 はやて達はまだ何か言いたげな表情であったが、シグナムは再度レーネさんへ顔を向けた。それに釣られて全員の視線が彼女へと集中する。

「レイネル殿、お待たせしてすみません」
「いや構わないよ」
「では……」
「あぁ、盛り上がってるところ悪いんだが……私はこれ以上君に何かするつもりはないよ」

 そう言ってレーネさんは大きなあくびをする。場に漂っていた緊張感は一気に霧散し、全員の顔が呆気に取られてしまったのは言うまでもない。

「レ、レイネル殿……怒っているのではなかったのですか?」
「ん? 思うところがないわけでもないが、今のやりとりを見せられてはね。そもそも、本当は叩くつもりもなかったんだ」
「え?」
「驚くことでもないだろう。さっきショウが言っていたとおり、原因は君だけにあるわけじゃない……などと叩いてしまった私が言えることでもないのだが。まあとにかく、これ以上責めたりするつもり
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