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魔法少女リリカルなのは 〜黒衣の魔導剣士〜
空白期 第6話 「大切な家族」
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らいは済ませておくべきかな」

 レーネさんは視線をはやて達へと移すと真っ直ぐ歩いていく。はやて達の顔に緊張の色が現れたのは当然だろう。彼女達にとってレーネさんは初めて会う人間であり、どこからどう見ても健康だとは言いがたい顔色をしているのだ。思うところは色々とあるだろう。

「え、えっとはじめまして。わたし、八神はやて言います」
「こちらこそはじめまして、といっても君の事は前から知っているのだがね」
「え?」
「この子はあまり人のことを話すほうではないのだが、君の事はしゃべるんだ。それに君との写真も昔から大事に飾ってあってね」

 そんなにしゃべってはいないと思うのだが……というか、いきなりそういうことを言うのはやめてほしい。全員こっちを見てるし、話の内容が内容だけに恥ずかしい。

「おっと、それよりも前に言うことがあったね。私はレイネル・ナイトルナ。人からレーネと呼ばれることが多いからそう呼んでもらって構わないよ」
「あっ、はい……あの、わたしの顔に何かついてます?」
「あぁ、いや何もついていないよ。ただちょっと聞いていたのと印象が違ったのでね」

 はやての視線がレーネさんから俺へと変わる。その目は「いったい何を言うたんや」と言っているように見えた。
 別に嘘や誇張して伝えたりはしていない。おそらくレーネさんは外見や俺の話から明るくて自分からどんどん話すタイプとでも思っていたのだろう。
 レーネさんははやてと目線を合わせると笑みを浮かべながら話し始めた。

「はやてくん、ありがとう」
「え、あっはい……あの、何の感謝ですか? わたし、感謝されるようなことしてないと思うんですけど」
「いやいや充分にしているよ」

 レーネさんは感謝の気持ちを表すかのようにはやての頭を撫で始める。突然のことにはやては一瞬無反応だったが、理解するのと同時に顔を赤らめた。大人から頭を撫でられることを久しく経験していなかったからだろう。

「聞いているかもしれないが、私は仕事ばかりであまり構ってやれていない。君がこの子と知り合っていなかったら、この子は今よりも内向的な性格だったと思う。今のこの子がいるのは君のおかげだ。本当に君には感謝しているよ」
「い、いえ感謝するのはわたしのほうです。ショウくんのおかげで助かったこととか多いですし、楽しい思いをたくさんできました。今のわたしがおるんはショウくんのおかげやと思います」

 はやては謙遜で言っているのかもしれないが、俺にとっては恥ずかしい内容だ。この場から離れたくなるが、叔母が何を言うか分からない。適当なことを言われて誤解でもされたら面倒だ。今は耐えるしかない。

「ふふ、君のようなガールフレンドを持ててショウは幸せ者だね」
「え、えっと……べ、別にわたし達はそういう関係
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