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少年と女神の物語
第七十五話
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よなぁ・・・まさか翠蓮が口説き落とされるとは思ってもいなかった」

 やっぱり、誰でも同じ意見のようだ。
 ちなみに、今リズ姉は俺の首からさげられているお守りになってもらった。
 さすがに、この場にただの人間をそのまま連れてくるわけには行かないと思ってのことである。

「神代王!」
「ん?」

 そんな感じでリズ姉と話をしていたら、翠蓮に呼ばれた。

「これよりこの仕合において、我が陣中に加わることを許します。羅濠と共に戦いなさい!」
「相っ変わらずの上から目線・・・まあ、いいや。これはどうも、参加させていただきますよ」

 言い争う気は無いので、俺はテキトーにそれくらいで終わる。
 そして、そのまま四人の『同族』が肩を並べて四柱のまつろわぬ神と向き合う。

 巨大化した三面六臂の猪剛鬣。
 騎獣である水竜に鎌首をもたげさせ、その頭に乗る深沙神。
 二柱の上からこちらを睨んでいる玉龍。
 そして、その三柱を率いる孫悟空。黄金の雲に乗る彼は再び上昇し、空へ舞い上がっていく。
 そろそろ、四対四の戦いの始まりかな?

「では、オレから相手を選ばせて貰おうか。そこの槍を持った神殺し」
「ん?俺?」

 早速指名された。
 なんでだろう?

「オマエ、最近我が同胞を殺しただろう?」
「同胞・・・?ああ、オオナマズのことか」
「左様。故に、我が相手はオマエにしてもらう」
「ふうん・・・ま、いいぜ。いくか」

 俺がそう言いながら翼を生やすと、玉龍も飛び立つ。

 さあ、神殺しを始めよう!

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