その名が意味するものは
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れ、朽ちていく。
―どうする?このバケモノ、殺すか?―
―それしか災いを払う方法はないだろう?土にでも埋めてやるか―
―待ちなよアンタ達!バケモノを殺したらその怨念で更に災いが降りかかるんじゃないかい!?―
―確かに・・・それも考えられるな―
―じゃあ、生かしたままどこかに閉じ込めるか?永遠に―
(やめて・・・)
―どこかってどこだよ―
―そうだなぁ・・・―
―そうだ!白蛇の社がいい!この蛇女にはぴったりだ!―
―おお!いい考えだな!―
―丁度あそこは蛇に呪われた地とされている。バケモノには丁度いいだろう―
―よし!それじゃあバケモノを社に閉じ込めるぞ!―
―罰が当たったら嫌だから、最低限の衣食住は与えてやらないとね―
―存在自体が罰当たりなモンだがな―
(何で・・・何で私がこんな目に!)
―おい、抵抗すんな!―
―テメェみたいなバケモノを生かしておいてやるんだ。感謝しろよ!―
―消えろよバケモノ!―
―2度とこの街に来るな!―
(お願い・・・誰か――――誰か、私の話を聞いてください!)
少女の願いは、通じなかった。
1度そうだと思い込むとそうなんだと理解し、周りがそうだと言うとそうなんだと喚く。
それが人間という生き物であり―――――それが、彼女を苦しめた。
この街を救った英雄的存在の少女は、誰からの感謝も受けなかった。
代わりに―――――町民全てからの、拒絶と罵倒を浴びせられた。
―――――呪われし蛇髪姫―――――
誰が言いだしたのかは、誰にも解らない。
だが、いつの間にか、少女は名を忘れ去られ、そう呼ばれるようになった。
町民も、友人も、両親も、誰も少女の名など覚えていない。
覚えておく気すら、ない。
(私が何をしたと言うんですか・・・何故、閉じ込められなければならないのですか・・・)
何度も何度も、自分の中で繰り返して来た問い。
答えを思いついた事など1度もないし、誰かからの答えが返ってきた事もない。
蛇達は必死に答えを返そうとしてくれているが、言葉が通じない。
少女の声は届くが、少女に蛇の声は届かないのだ。
一方通行の声は、まるで自分と町民達のようで。
(感謝なんていらない・・・御礼なんていらないから、私をここから出してください・・・)
ぐっ、と拳を握りしめる。
最初のうちは外に出ようと必死だった。
が、魔法で鍵をかけられ、一方的に閂をされ、全てを突破して外に出れば待ち構えていたのか外にいた子供たちに水をかけられる。しかも、冬に氷水を浴びせられるのだ。
暖房器具の無い古びた社で濡れた体を温め
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