暁 〜小説投稿サイト〜
ハイスクールD×D 〜聖人少女と腐った蛇と一途な赤龍帝〜
第3章 さらば聖剣泥棒コカビエル
第57話 愛、故の殺意
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!! う、動いちゃダメですぅっ!」

 アーシアが顔を青くしつつ私の肩を抑えて寝かそうとしてくる。と、そんな中

「にゃっははは、とりあえず皆落ち着くにゃ」

 そう言いながら黒姉たちがわざわざ()()()()()()()()、結界を抜けて私達に近寄ってきた。

「あなた達何を悠長にしているのです!? 火織さんが!!」

「会長、というか皆さんも落ち着いて下さい」

「ん、火織お姉ちゃんのこと、よく見る」

 そう言って龍巳は私を指さしてくる。それに釣られ、皆も私の方に視線を向けてきた。

「……えぇっと……?」

 それに対して私はとりあえず首を傾げる。そんな私に対して皆を代表して部長が聞いてきた。

「……火織、あなた本当に大丈夫なの?」

「えぇ、まあ。特に問題はないですよ?」

 そう言った途端

『『『はぁ………………』』』

 皆は気が抜けたようにしてその場に崩れ落ちた。

「……そうよね。火織だものね。心配するだけ損よね」

「ってそれはちょっとひどくないですか!? 一応痛くはあったんですからね!?」

「ならなんでそんなにピンピンしてるのよ!? っていうか黒歌たちも火織が無事だって分かってたわね!?」

 と部長が怒りつつも泣きながら私達に詰問してきた。

「そりゃあ当然。この程度で死ぬわけ無いにゃ」

「ん、この程度で死んでたら我の修行でとっくの昔に死んでる」

「そうですね。以前火織姉様が腹ワタぶちまけちゃって死にかけたことはありましたけど、それでも何とかなりましたし。むしろそれのおかげでどこまで耐えられるか分かりましたよね」

「あ〜、あったわねそんなことも。普段なら簡単に避けられるのを足滑らせちゃって、モロに食らっちゃったんだっけ?」

「ん、あの時は焦った」

「確か私達全員で治療して、なんとか一命を取り留めたんですよね」

「そうそう、あの時はまだ若かったから今では考えられないくらい取り乱しちゃったにゃ」

「我らの治療もそうだけど、火織お姉ちゃんの治癒力、この中で一番高かったのが幸い。でないと死んでた」

「そういえばあれの直前にようやく完成してたのよね。龍巳と一緒にコツコツ頑張っててよかったわ」

「火織姉さまの回復力はもはや反則級ですもんね」

「もはや怪我に対する心配は火織は龍巳同様必要ないんじゃにゃい?」

「あ〜、黒姉それはひどいよぉ〜」

「「「「あっはっはっはっは!」」」」

 私達は朗らかに笑いながらいつも通り楽しくお話に興じる。と、そこで

「笑い事ではないでしょう!? どれだけ心配したと思ってるの!」

 と部長が涙ながらに言う
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