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東方攻勢録
第九話
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牧野が試作品として作っていたステルス付きの物を使用しており、あらかじめ影丸を使用して迷いの竹林付近に設置している。見つかる心配はないだろう。だがテレポート装置には大きな問題があった。
 テレポート装置は膨大なエネルギーを使用するがために、一回の使用で数分間は冷却しなくてはならない。その間彼女達はその場を守り続けなければならないのだ。もちろんテレポートしていく人数が多くなるにつれてその場に残る人数も少なくなる。全員の脱出は到底無理だろう。さらには天界の基地は最後の砦でもあるため、能力持ちの兵士の数も多い。戦力差では圧倒的に向こう側が有利だろう。
 宮下は最低でも三人、うまくいけば五人脱出できると推測していた。四人だったということはある程度はうまくいったのだろう。
「まあ使わない手はなかったわけではないんだけど……どうやっても難しくってね。確実に逃げてもらうんならこれが一番ってことだよ」
「そうですか……」
 少し残念ではあったが仕方がなかったのだろう。なにせ俊司よりも頭の回転が速い彼が言うならなおさらだ。それに早く助け出してあげればいいだけの話でもある。戦いをスムーズに進めるために作戦を練る必要がありそうだ。
「それで……あなた方はどうするんですか?」
「残念ながら僕達は革命軍として戦いに参加する。これ以上は支援できないからね。それに……」
「それに?」
「そろそろ監視がつきそうなんでね」
 今回脱走を手伝ったことで、ある程度疑惑を持ちかけられる可能性があると宮下は考えていた。これを気に寝返るのもいいかと考えたが、彼はあえて残ることでなにかをしようと考えているようだ。
 最後に宮下は革命軍がこれ以上行動を起こすつもりはないと教えてくれた。どうやら天界ですべての決着をつけようと考えているようだ。もちろんそのときは宮下と牧野も敵側として登場するため、それなりの対策も練っておくべきだろう。
「さてそろそろ時間だ。僕達は行くとするよ」
「……ありがとうございました」
「礼を言われるような事はしてませんねぇ。あの不老不死の子と青髪の少女にもよろしくいておいてください」
 その後二人は軽く会話をしながら去って行った。
「いい人達……なんですかね」
「どうだろうな……さて俺達も帰りますか」
 俊司達は神奈子に戦闘の日が決まったら連絡すると伝えて、永遠手に帰って行くのだった。
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