第九話
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ょうね」
「タイプC……とりつけられた人はどうなるんですか?」
「自我はなくなりますね。タイプBの延長上だと思って下さい」
タイプCは人の制御が必要なく、かといってタイプAのように自我を持って操られるわけでもない。まるでピアノ線で操られる人形のようになってしまうということだ。
タイプCの実験は天界に捕えられている幻想郷の住人の中から実力のあるものを実験台にするらしい。それも攻撃ではなく防衛のためだと言う。追い込まれているため籠城でもしようと言うのだろうか。
「そして最後に……今日天界から脱走した方々がそちらに向かうはずです」
「脱走……?」
宮下が言うには最後の決戦を始めるきっかけとして、天界に捕えていたタイプCの候補者四人を脱走させるとのことだ。もちろん脱走の手順や方法などは宮下と牧野がカバーするとのこと。成功したかどうかは連絡がついていないため分からないが、今頃天界の基地は大変なことになっているらしい。
「で? 脱走させたのは誰なんですか?」
「それは……おっと」
宮下が誰か言おうとした瞬間、持っていた無線機が音を鳴らし始めた。宮下は無線機を耳に当て誰かと話し始める。
数十秒後宮下は静かに無線機を切るとさっきの話を続けた。
「脱走させたのは比那名居天子、永江衣玖、聖白蓮、村紗水蜜の四人だ。そして今……彼女達が脱走したと連絡がはいったよ。今頃永遠亭に向かっているさ」
「そうですか……」
一同から安堵の溜息がもれる。脱走に成功したとなると、攻撃をしかけるタイミングは彼女達の疲労が回復した頃。大体二三日してからだろう。
「さて僕達が言える事は以上だ。質問は?」
「聖白蓮が脱走したと言うのだったら他の者はどうなってるんだ?妙蓮寺には彼女以外にもいたであろう?」
神奈子がそう質問すると、宮下はなぜか浮かない顔をしていた。
「確かに聖白蓮には大勢の仲間がいた。もちろん脱走中も戦ったことだろう。だが……脱走できるのは全員ではなかったはずだ」
「どういうことだい?」
「……脱走計画の手順を教えるよ。脱走するために……テレポート装置を使うように指示したんだ」
宮下が言うには天界全域が革命軍に監視されているため、確実に脱走させるためにはテレポート装置を使う必要があったそうだ。まず脱走の前日に牧野が適性検査という名目で彼女達を呼び出し、途中牧野が退席して聖達に近くに置いていた影丸をいじるふりをしておく。翌日牧野達が出かけたタイミングで影丸を牧野自身が遠隔操作で起動し、聖達が影丸操っていると錯覚させる。その後一体の影丸に牢屋の鍵を開けさせ、数体の影丸が武器庫にあった彼女達の武器とスペルカードを回収。武器を受け取った後はあらかじめ設置していたテレポート装置がある部屋に向かいテレポートをして逃げるというわけだ。転送先の装置は
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