第九話 風の力その四
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気付いてだ、それで顔を見合わせて話した。
「この娘も」
「一緒なのかしら」
「あの、まずは食べましょう」
桜はにこりと笑って四人に先に話した。
「食べることを楽しみましょう」
「おっと、もう焼けてるな」
「そうね」
ここで四人も気付いた、四人のお好み焼きはもういい具合に焼けていた。後はそこにソースやマヨネーズ、鰹節に青海苔そして紅生姜をかけるだけだ。
そうしてだ、こう言うのだった。
「じゃあまずは」
「食べましょう」
桜が言ってだった、お好み焼きを食べることになった。だが薊は自分達の席が結構大きいことからこう桜に言った。
「なあ、よかったらさ」
「何でしょうか」
「あんたもどうだよ」
こう彼女に言うのだった。
「こっち来ないかい?」
「そちらの席で、ですか」
「一緒に食べないか?」
桜を笑顔で誘う。
「同じ学校で同じ二年生だし知り合ったのも縁だろ」
「そうね。バイクのことも気になるし」
「いいんじゃないの?それも」
菖蒲と菊は薊のその提案にこう答えた。
「お話しながら食べることもね」
「悪くないから」
「私もそう思うわ」
裕香もだった、笑顔で薊に賛成して述べた。
「席も広いから」
「だろ?それじゃあどうだよ」
「そうですね。それでは」
当の桜もだった、微笑んで応えてだった。
店員の人に断って了承を得てからだった、席を四人のところに移した。桜のお好み焼きもだ。そうしてだった。
五人で座ってお好み焼きを食べはじめた、桜は自分の海老玉を食べつつにこりとした笑顔でこう言ったのだった。
「いや、ここのお好み焼きはですね」
「美味いな、これ」
「はい、そうですよね」
「ああ、いけるよ」
薊は食べつつ桜に言葉を返した。お好み焼きをへらで切りそのうえで箸で口の中に入れてから出した言葉だ。
「いけるよ」
「ですから私もこうして」
「来てるんだな」
「これまでも何度かこうしてお店に入らせてもらって」
そのうえでだとだ、豚玉を食べている薊に話す。菖蒲は烏賊玉、菊は肉玉を食べている。裕香は蛸玉である。
「楽しませてもらってます」
「これならな」
その豚玉を食べつつ言う薊だった、自分のものを。
「何枚でもいけるよ」
「そうですよね、この美味しさですと」
「やっぱりお好み焼きは西だよな」
「西ですか」
「関東のお好み焼きもまずくないけれどさ」
それでもだというのだ。
「やっぱりお好み焼きはさ」
「関西ですね」
「ああ、西だよ」
「関西では」
「広島のもあるからさ」
薊はここで広島のお好み焼きも話に出した。
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