『第四十二話』〜特訓開始〜
[1/7]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
なのはside
「まずは、これを持て」
拓斗君はそう言って私達に向かって何か放り投げた。
拓斗君の転移で来たのは何処かの道場の様な所。
窓から外を見るとお話の中に出てくる仙人が暮らすような場所が見えた。
フェイトちゃんと此処は何処なのか質問するけど、『修行場だ』としか答えてくれなかったの。
修行場っていうのは見ればわかるけど……
「これって……槍?」
私が拓斗君から受け取ったのは木で作られた棒と槍。フェイトちゃんは木で作られた斧と鎌だったの。
「クロノに言われた通り、お前達にはこれから近接戦闘の特訓をしてもらう。短期間の修行だから手足を織り交ぜるなどの域は無理、だから己の武器の基本を覚えてもらう」
「武器の基本……」
「そうだ。なのはの武器、レイジングハートの形状は杖だからお前には棒術・槍術を覚えてもらう。本来は杖を用いた杖術があるからそっちを覚えてもらう方がいいんだが、こちらの方が近接戦闘のバリエーションが増えるからな」
「うん」
「フェイトは元々が近接型だ。だからお前はそのままで戦闘技術の向上だな」
「分かった」
「よし、方針は決まった。………修行開始だ」
そう言う拓斗君の手にはフェイトちゃんと同じ鎌が握られていた。
………なんか、少し羨ましいの。
フェイトside
――カン カンカンカン ガキン!
「何度言ったらわかる? 鎌の戻しが遅い、それは大きな隙になるぞ。そこを狙われたらアウトだ」
「ハァハァ、ハァハァ…はい!」
修行開始から早くも二時間。
改めて拓斗はすごいと実感する。
私は戦闘技術の向上と言われたけど、そんなの早すぎる。私は近接戦闘の基礎を全く理解してなかった。
どんなに鎌を振っても防がれ、受け流され、それから一瞬で攻撃に移る。違う、防御と攻撃を一瞬で行ってるんだ。
自惚れてる気は全くなかったけど、近接戦闘の実力は上の方だと思ってた。
けど、あの人に負けて、今拓斗の修行を受けて初めてわかる。
どれだけ自惚れていたんだ。私は弱い、弱すぎる。なんであんなに自信があったのか疑問になる。
「ハァ!」
「振りが大きすぎる。一撃必殺ならともかく、お前は速度を生かした戦い方なんだ。一撃の強さじゃない。手数を増やせ」
「はい!」
拓斗は私の猛攻を何もないような顔で受け流していく。
何で届かないのと時々考えるけど、すぐにその考えを消しさる。これが普通なんだ私がそれだけ弱く、それだけ拓斗が強いんだから。
「足元が疎かになってる。腕や武器だけじゃない、
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ