暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは平凡な日常を望む転生者 STS編
第50話 カーニバル襲撃
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「ねえ孝介、あなたはこことは別の世界の存在を信じる?」
「別の世界?」

授業を終え、近くの小さなカフェでエリスとお茶をしていた時である。
ふと上の空状態だったエリスが俺にそんな話をしてきた。

「あなたと私、2人で今の世界じゃ考えられない様々な出来事を乗り越えていくの!!時には笑って、時には喧嘩して、時には死にそうになって………」
「いや、最後のは勘弁だな………」
「でも楽しそうじゃない。今じゃ見た事の無い世界が私達を待っているの!!」
「………アニメの影響か?」
「バレた?」

下を出しながらそう答えるエリスに俺は何も言えなくなってしまった。

「………だけど、まあいいよなそう言うの。まだ実際に見た事無い景色は別世界だけじゃなくてこの世界にはまだまだ一杯ある。日本だけでもそうだし、世界の景色だってそうだ。人間はその全てを見る事は出来ないだろうな」
「そうね………」
「………まあ別世界で今は居ない空想上の生き物を見たり、魔法なんかある世界を冒険するのも楽しいかもな」
「でしょ!!」

そう言ってウットリと空を見上げる。

「空を飛んだりできるかもしれないしね………飛んだらどんな気分でしょうね………」
「空か………」

そう呟きながら空を見上げる。

(………あれ?)

ふと頭の中に浮かぶビジョン。

『………レ…、……、……、競争だよ!!』
『負けません………!!』
『いや、……や……には我はスピードでは………』
『逃げるの……?』
『なっ!?我は逃げはせん!!いいだろう、勝負だ……!!』

(何だこれ………?)

誰かとの会話、加奈や桐谷じゃない誰か。俺は全く知らない覚えのない会話なのだが、妙に懐かしい。

「孝介、大丈夫………?」
「えっ、何が?」
「だって泣いてるよ………?」
「泣いてる?誰が?」
「孝介………」

そう言われ、俺は目を拭うと確かに涙が流れていた。

「あれ?何で………?ゴミでも入ったかな?」
「大丈夫?」
「ああ、でもちょっとトイレ行ってくるわ」
「うん………」

そうエリスに伝え、席を離れる。

(何となく、この感覚はあの時と似ている………確か桐谷と最初の登校日に一緒に電車に乗った時だ………確か………魔法少女リリカルなのは。………調べてみるか)

俺はそう思いながら目を洗い、トイレを出たのだった………
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