26話 vivid編開始
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ういえばユーノ。この遺跡が何のために作られたものなのか、わかってきたのか?」
夕は後ろを歩いているユーノに問いかける。
「うん。全部じゃないけどわかってきたよ。この遺跡は古代ベルカ時代の王様の子供が作ったものみたいだよ。でも何の目的で作られたかは最後の部屋を調べるまで結論は出せないな」
「最後の部屋か……前の発掘チームが作った地図によると次がその最後の部屋だな」
夕は地図を見ながら言う。
「うん。そこを調べれば結論が出せると思うよ」
そう言っているユーノはとても楽しそうだった。歴史を調べるのが本当に好きなようだ。そして遂に最後に部屋に到達する。
「ここが最後の部屋か…」
最後の部屋の一番奥に青い石が置いてある。青い石の右側には3メートルくらいある獅子の石像が立っている。
「見かけからして動き出しそうだな、あの石像」
夕が部屋に入って最初の感想はそれだった。
「確かに、でも大丈夫だよ。前の人が調べたときも動かなかったらしいし」
ユーノは石像を気にせずに調査を始めた。夕はその間、警戒心マックスで周囲を警戒していたが何も起こらなかった。そうしていると
「こんなところかな」
調査が終わったのかユーノは青い宝石の前で立ち上がる。
「わかったのか?」
「うん。でも一番知りたいところの決定的証拠は僕達じゃ調べられそうにないな」
少し残念そうなユーノ。
「どういうことだ?」
〈僕達は〉の部分を強調するユーノに疑問を覚える夕。
「この遺跡は古代ベルカ時代の王様の子供が子孫のために残したものみたいなんだよ。その青い宝石に触れると子孫に残したものが出てくる仕掛けになっているんだ」
何とも面倒な仕掛けである。
「この青い宝石にそんな力が」
夕は特に考えもせずに石に触れる。その次の瞬間、石が光を放ち始める。
「ゆっ夕!石が光ってるよ。でもどうして!?」
ユーノも夕も予想外の事態に混乱する。しかし、事態は二人が冷静になる時間も与えてくれない。
〈後継者候補出現。選定の試練に入る〉
どこからか声が聞こえてくる。 そして宝石の右側にあった石像が動き出す。
「ユーノ、俺の後ろに入れ!何だかヤバそうだ」
動き出した獅子の石像に危険を感じた夕はユーノを後ろに庇う。石像はその鋭い牙で襲いかかってくる。
「石像は石像らしく。そこでじっとしてろ!」
夕は石像の牙を掴んで振り回し、地面に叩きつけた。そして全力で獅子の石像の横っ腹を蹴り飛ばす。しかし、蹴られた石像は驚くことに傷一つない。
「どんだけ堅い鉱物でできてんだ。この石像」
石像のあまりの堅さに悪態をつく夕。
「夕、大丈夫?」
「大丈夫だ。でも手加減
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