サケはのんでもなんとやら
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「 ────おお? 何だ兄ちゃん、人にぶつかっといて謝りもしねーのかい?」
大柄な男に絡まれた────
いや、おれじゃなくてイングズが。
……前回レフィアとアルクゥだったんで、今回はおれとイングズがある町で買い出し担当していた。
二人して他愛ない会話しながら店を巡り歩いていたら……、急に大柄な男とイングズの肩がぶつかった。……明らかに幅きかしてるそっちが悪いのに、云いがかりをつけてきやがった。
「 ───何だよ、そっちがぶつかってきたんだろっ!」
おれは在り来たりな返しをしたが、イングズはあくまで冷静に構えてる。
「よせ、ルーネス。……謝罪が遅れて、申し訳なかった」
「あぁん?……兄ちゃんアレだな、体付きはいいが、男の割にキレイな顔してるじゃねーか」
大柄で筋肉質な厳つい男は、イングズの整った顔立ちを覗き込むように凝視する。
「ムサイ面イングズに近づけんなよっ!」
おれは思わず間に入って離れさす。
「おお? 何だちみっ子、こいつはおめぇの兄ちゃんか? ───それともアレか、女子みてぇな面したちみっ子とキレイな面の兄ちゃんは出来てんのかァ?」
「なっ、何だと!? どういう意味だよ!」
何故かおれは少し顔が熱くなるのを感じた。
「……付き合うだけ時間の無駄だ、行くぞルーネス」
少し呆れた様子でそう云って先へ行こうとするイングズ。
「おお、逃げるってこたやっぱそーなのかい。女々しいったらねーなァ?」
「 ────── 」
イングズの動きが、止まった。
「腕っぷしでやり合うのもいいが………俺様としちゃあ今"酒飲み"で勝負してぇのさ。兄ちゃん、男なら乗るよな?」
「 …………… 」
な、何でそうなるんだ? おれはイングズに近寄り後ろから小声で話し掛ける。
「あいつあんな事云ってるけど………イングズ、酒飲んだ事あんの?」
「 ────兵の仲間から、無理矢理飲まされた事は何度かある」
「む、無理やり……?!」
「いいだろう、受けて立つ」
つとイングズが振り向いて、大柄な男に云い放った。
「そーこなくちゃなァ、兄ちゃん! なら俺様とっときのパブに連れてっちゃる!!」
イングズが、挑発に乗るなんて────顔にはほとんど出してないけど、云われた事によっぽど腹立ったのかな………?
そして夕刻────酒場で野次馬に囲まれつつ、大柄な男と涼しい顔のイングズが、どちらが先に潰れるかまでの酒飲み勝負が始まった。
結果は─────イングズの負け。
……あ〜ぁ、
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