プロローグ
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ておいてください」
「へっ! つえー奴と戦えるなら何だって良いぜ! オレがぶっ飛ばしてやらぁ!」
そう言って息巻くナギを見て、彼らは呆れと頼もしさを感じていた。このように純粋な彼だからこそ紅き翼は結成することができたのだろう。これもナギのカリスマの為せる技だろうか……。
話はこれで終わりと言わんばかりに彼らは鍋パーティーを再開する。この後某筋肉ダルマが突っ込んでくるのを知らずに……。
「しかし妬ましいですねぇ……こんなにたくさんの美少女を侍らすとは……!」
「見苦しいな」
「キショいな」
「あぐあぐ」
男の嫉妬は見苦しくキショく犬も食わない。
◆
「紅き翼……アラルブラだと?」
「はい。今最も警戒すべき相手が彼らです。詳しい情報は必要ですか?」
「いらん。我は王ぞ? そのような物に頼らずとも我が闇の力で蹴散らしてくれる」
「フールに言いつけますね」
「王となる者、常に臣下の弁を聞くのも必要。後で聞くとしよう」
「英断、感謝します」
これだけを聞くと主と臣下の楽しい会話に聞こえるだろう。しかし彼女たちの現在の格好がそれを崩していた。
衣服を身につけていない。つまり裸体を晒しているということ。最も、シーツで隠しているので遠見の魔法で見られても隠すことはできるだろう。
シュテルとディアーチェの他にも、ユーリとレヴィがこれまた彼女たちと同じ格好でスヤスヤと仲良く眠っている。キングサイズのベットの上で何が行われたのかは当事者たちと部屋の前を通った不届き者たちしか知らない。
「して、そのフールは何処に行ったのだ?」
「外の空気を吸ってくると言って出て行きましたが……実際は敵の諜報員を消しに行ったと思われます」
「そうか――相変わらず、我らはアイツに頼りっぱなしだな」
「……ええ」
彼女たちを鎖から解き放ち自由にさせたのはフールだ。この世界に飛ばされる前の世界で消されそうなところを助けて修復し、砕け得ぬ闇を復活させ王の制御下に置くようにプログラミングしたのも『技』のマテリアルである彼。そしてこの世界でも彼女らがこうして生きていけるのも、最も早く適応した彼の迅速な行動による物が大きい。
「礼を述べても彼奴は受け取らぬだろうな……」
「おそらく己を攻めているのでしょう――彼はそういう性格です」
彼女たちには元となった存在、オリジナルがいる。その中でもフールのオリジナルは畜生にも劣る愚者で、シュテルたちを舐めるような目つきで見て、フールをゴミ以下を見るような目で見ていた。理由はフールが男で、シュテルたちが女だからだ。しかしフールは気にした様子もなく、シュテルたちの身の安全を申し出た。
「今でも思います。あの
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