プロローグ
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法使いです。彼女の魔法で幾つもの更地が出来たとか……それに超長遠距離魔法も持っています。油断ならない美少女です。
そして先ほど言った最強の子ですが……名をユーリ・エーベルヴァイン。どのような魔法を使うか分かりませんが……何やら禍々しい巨大な手を使うようです。はっきり言って敵対したくないものです」
「よく調べたものじゃな……それとニヤけるでない。キショいは」
「確かに敵対したくないな……このロリコン」
「戦ってみてえな……なんで鼻血垂らしてんだアル?」
このアルビレオ・イマ。少女、幼女愛好家であり……いわゆるロリコンで、ここまで詳しく調べることができたのもその歪んだ愛ゆえにだと思われる。貞操的な意味で彼女は逃げた方が良いだろう……。
だらしなく破顔させていたその顔は、次の瞬間キリッと元に戻る。もはや意味のないことだろうが……。
「最後に最も気をつけなくてはならないのが……彼です」
神妙な顔つきでアルが指差すのは一人の少年だった。黒い髪をポニーテールにし、頭部には髪と同じ色の狐耳。そして臀部からは九つの黒い尻尾が生えていた。詠春はこの姿に見覚えがある。彼の故郷、日本に代々伝わる伝説の妖怪、九尾だ。詠春はアルへと視線を向けるが首を横に振る。関連性があるのかないのか彼には分からないらしい。しかし袴姿から察するに何か関係している可能性は高い。腰には日本刀も帯刀している。
「名を愚者の転生者(フール・ザ・トリッパー)。情報が少ないですから何とも言えませんが武器から察するに魔法剣士だと思います。――それと彼と相対したら全力で叩くように」
「は? なんでだ? 確かに鋭い目してっから強そうに見えるが……」
ナギは写真を見る。鋭い目がこちらを見ており、今にも斬りかかってきそうな迫力がある。体がブルリと震えた。しかしそれにしてはアルのように過剰な態度を取るかと思えばそうでない。せいぜい一回ぐらい戦ってみたいと思うぐらいだ。
「彼は相対した者の魔法、技、固有技といったあらゆる物を一度見ただけでコピーすることができるのです」
「なんと……」
「あっ? それって凄いのか?」
「……もしアルが言うことが正しいのならな。もしや、私の神鳴流も……?」
「おそらくは……」
つまり今まで自分を助けてきた技が己に牙を向くということ。それに加えこの場にいる者たちは世界でも最強クラスに匹敵する猛者ばかり。そんな彼らの技がコピーされるとなると、たまった物ではない。
「それに私たちとは異なった魔法を使います。情報が少ないですから敵対したらマズいですね」
「しかし、そんな機会はある……なるほど、帝国側についたのか」
「そういうことです。おそらく近いうちに合間見えるでしょうから、覚悟をし
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