十三章 幕間劇
烏と雀×りんごのむき方
[4/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
「おいおい。何で大砲の弾が出てくるんだよっ!?」
「ふえ?あ、心配しなくても大丈夫だよ!これでりんごをむく訳じゃないから!」
それは分かっている。何で危険物をバッグに入っているんだろ。
「うーん、どこに入れたんだっけー。おーい、小刀さーん」
ハサミ、裁縫道具、ビー玉、お菓子、あやとりの紐に筆と和紙セット。雀は袋の中身を掴んでは出し、掴んでは出し、自分の周りはあっという間にガラクタ・・・・じゃなくて、私物で一杯になった。
「こんなに持っていると重くないのか?」
「もう慣れっこだもん!雀達は傭兵だから、呼ばれればどんな戦場にも行くの。だから大事な物は、持ち歩いているんだよ!」
「傭兵・・・・正規軍ではないから、って事は」
「八咫烏隊の今の雇い主は、公方様!足利家に雇ってもらってるの」
「でもあの時の戦いは・・・・なるほどな。足利家が織田家と同盟したからか」
「そう、そのまま雀達八咫烏隊も、織田家に加勢する事になったんだ!」
「(うんうん)」
「八咫烏隊は鉄砲の扱いに慣れてる兵士が多いから。今は梅ちゃんの指揮下で動く事が多いの。ね、お姉ちゃん」
「(こっくん)」
ふと、雀が背負っている大砲を見た。一見すると家紋が入ると思うのだが、よく見ると雀のマークがついてるからオリジナルの紋なのだろう。
「そういえば京の町で、一葉が悪漢に襲われた時に俺がこれで脳天に当てた時に、仲間が来たけどあの時撃ったのは八咫烏隊の誰かか?」
「あれはお姉ちゃんだよ!」
「・・・・」
「お姉ちゃんは、凄ーく腕のいい狙撃手なの。狙った物は百発百中!ズキューンなの!ねー、お姉ちゃん!」
自分の事のように雀は誇らしげに言ってる。さっき俺に飛びかかろうとした時も、雀に向かってりんごを投げたのもよかったから動体視力がいいのかな。ウチの隊でも百発百中の狙撃手はいる。
「火縄銃って、威力はあるけど命中させるのは難しいだろう?」
「・・・・」
「それがお姉ちゃんの凄い所なんだよ!火薬の量がちょっと違っただけで、軸がぶれちゃうんだから」
「火薬から学んでるのか。だけど、ウチの隊だって負けていられんぞ」
「・・・・」
烏は嬉しそうにしていると、背負っている銃を下ろし俺に見せてくれた。その代り、俺達の隊で使われている狙撃銃を空間から取り出して見せ合いっこした。一般的な火縄銃は、弾を込めてから発射までのタイムラグが生じるため、構えていて敵が来たら撃つようになっている。
なので織田信長の三段撃ちが有名だ。悪漢を倒した時のように正確に狙うとなると、一発外したり不発だったらアウトだ。烏は火薬の量もだけど、発射のタイミングも逆算しているんだろう。これは名手と言われる
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ