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戦国†恋姫〜黒衣の人間宿神〜
十三章 幕間劇
雫の処遇
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言えないが、少なくとも仲間内に対して埃の出るような事はさせたくない。雫がしているのは、身内に対しての裏切り行為に近いらしい。

「雫の気持ちは嬉しいが、自分の立場を悪くしてまで俺達に協力はな・・・・」

「・・・・・」

「浸かっている湯が心地よければ心地よい程、それが冷や水に変わった時には冷たく感じるものですよ。自らの国に愛着を感じていれば、尚更です」

「詩乃殿」

詩乃の言葉は雫に向けられているより、自らにいい聞かせるのようだった。

「そうなれば国を捨てるか、潔く腹を召すか・・・・城を落とすしかありません」

「それは・・・・」

雫が言葉を詰まらせるのはよく分かる。国を少しでもよくする為に、城以外の面でも雫は色々な事をしてきたんだろう。しかも詩乃や梅のように自らの主君がいないならまだしも、小寺家の者達がいる限り敵に回す事は無い。

「・・・・少し、考えさせて頂けますか?」

「なあ詩乃」

「何でしょうか?一真様」

「他に良い案はないか。この子のような軍師系系統のは、実に欲しい所だ。詩乃の負担も、軽くなるだろう?」

「まあそれはそうですけど・・・・何とかする方法、ございますよね。幽殿」

「まあ、無きにしも・・・・」

「では幽よ。聞くがどうすれば雫が、小寺家と関係を悪くしないで俺達の仲間になるようにはどうすればいいのだ?」

「は。愚考致しますに、幕府から小寺家に、雫殿を貸して頂けるよう正式に依頼を出せば宜しいかと」

ああーそういう手があったな。葵が俺達に小波を付けてくれると同様な扱いにすればいいと言う事か。正式な依頼なら、雫も安心して俺達と行動が出来る。

「今の小寺家が雫の言う通りの状況であれば、さして気にする事なくその申し出に応じてくれる事でしょう。仮に断られたとしても、少なくとも今より状況が悪くなる事はありません」

「それは・・・・多分、大丈夫だと思います」

「そうなれば、後は雫殿の好きになさればよろしい。何せ腐っても幕府のお墨付きですからな」

「それに世事に無関心な小寺家が、将軍家の要請に応じて動いたとなれば、他の国にも影響を及ぼす可能性は高いでしょう」

「俺が、一葉や久遠に依頼すれば良い事か。なら雫よ。もう少しだけ待ってくれるかな?」

「はい!よろしくお願い致します。あ、あと職人の手でさえ直せない物があるのですが」

「もしかして北の城門か?それは俺が直すからいいよそこは」

一葉や久遠にお願いをした後、創造の力というよりこの場合は再生か。崩れた所に向かって杖をコンと地面につけると、光り輝いて壊される前の状態に戻した。ついでに城壁をコンクリート並みに強化してみた。その晩になった時に、二条館の廊下を歩いていると庭で静かに月
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