十三章
新たな力×禁裏のお墨付き
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。二条館に入った後、ここにいる全ての兵に向かって久遠は言った。
「皆に一つ、伝えておきたい事がある」
勝利を祝う為に集まった仲間達全員に口を開いたが、ちなみに黒鮫隊の野郎共も全員俺の後ろで整列している。
「此度、鬼と化した三好衆の叛乱を無事に鎮圧出来たのは、一重に皆の力があったからこそだ。しかしこの先鬼との戦いが続いていく中で、我の力も皆の力も及ばない事態がきっとあるだろう。だが今、この日の本には、鬼という異形の者について詳しく知る者は少ない。比較的多くの情報を握っているのは、織田、浅井、松平の者だけなのだ。これは非常に危険な事だと我は考えている。何故なら鬼を良く識る我らが負ければ、この日の本は鬼との戦いに大きく後れを取る事になる。だから我は考えた結果として・・・・決めたのだ」
自分の言葉が周囲に浸透するのを待つように、久遠は言葉を止めて呼吸を入れた。そしてゆっくりと口を開いた。
「我が恋人織斑一真を、我の恋人というだけではなく、公方の恋人として。いやこの日の本に居る、鬼との戦いを決意した者達全ての恋人とする事を、我はここに宣言する!」
「織田上総介の宣言は、幕府よりの御内書を受けた物であり、禁裏に上奏奉り、畏れ多くも主上より勅書を押し頂いておる」
御内書・勅書・・・・室町幕府の将軍が私的に書いた、という体で発行する公文書。勅書は更に上位で畏き所からの命令書のようなもの。
「そして余がその第一号であり、第二号が余の妹である左馬頭義秋である」
やっぱりこうなったか。まあ予想はしていた。
「何と・・・・っ」
「公方様が第二の恋人になる訳ですか・・・・ああ・・・・また手の届かない所に行ってしまわれるのですね」
「と言う事は、ええと・・・・おい犬子!一体どう言う事か説明しろよ!」
「ええーっ!?私だって分かんないよ!雛ちゃん雛ちゃんどう言う事なのーっ!?」
「んー・・・・多分、我らが久遠様が第一の妾で第二の妾が足利公方様、その御妹君が第三の妾になるって事なのかもー・・・・。それでこれから、どんどん有力者を一真さんの恋人にしていく・・・・基、この場合は有力者達がどんどん、一真さんを恋人にしていくよー・・・・って事だと思う。正室はいるし、側室もいるから空いているのは愛妾だけだと思うんだよねー」
「な、何じゃそりゃぁ!?」
「ううー、何だかどんどん手の届かない所にいっちゃうね、一真様」
「そうなのかな?だって久遠様、一真さんを恋人にする条件はこう言ってたよ。鬼との戦いを決意した者、って。と言う事は雛達だって資格あるんじゃないかなぁ?」
「何っ!?マジかっ!?」
「それなら良いや!」
「納得はえーな、良いのかよ?うん良いよな!」
「うんうん
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