呪われし蛇髪姫
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許せないんですよ・・・我々より強大な力を得る事だけは!」
「そんなのお前の妬みだろう・・・お前の感情1つで抗争を起こす事に頷く気はない!自分勝手だ!」
「ほう・・・」
苦しみと痛みに呻きながらも、ザイールの意志は折れない。
それを聞いたジョゼはピクリと眉を上げ、口角を上げて口を開いた。
「どうしても首を縦に振ってくれないんですね?」
「当然だ!」
「そうですか。それなら・・・」
この時までのザイールは、知らなかった。
目の前で不気味に笑うジョゼが、どれだけ“悪役”に相応しいかを。
「あなたの大切な“あの子”は・・・どうなってしまうでしょうね?」
「――――――――――っ!」
ジョゼの言う、“あの子”。
それが誰を示しているか、ザイールは知っていた。
特別人付き合いが得意な訳ではないザイールの、唯一と言っても間違ってはいない友人。
ずっと、ずっと、生まれてその“力”が明らかとなった瞬間から、彼女の目に映る世界全てに拒絶され、嫌われてきた少女。
その少女が抱えてきた苦しみも、見えない傷も知っているザイールは、無意識のうちに表情を歪めていた。
「貴様っ・・・!」
「おやおや、やはり彼女はあなたにとっては特別でしたか」
自分が放った言葉がザイールにどれだけ重く圧し掛かったのか、目の前で薄く笑うジョゼは解っているのだろうか。
ぐっと唇を噛みしめたザイールの鋭い目に気づいたジョゼは、口を開く。
「怖い怖い。ザイールさんが睨むと迫力があるんですから止めてくださいよ・・・それに、今すぐ彼女に何かしようという訳ではありませんよ?」
「・・・どういう事だ」
「あなたの行動次第では、彼女に危害は加えない、という事です」
「!」
ザイールの目が見開かれる。
そして、ジョゼはあっさりと、そう言うのが当然であるように、ザイールに言った。
「あなたが幽鬼の支配者から消えてくれれば、彼女には何もしません」
幽鬼の支配者から、消える。
つまりは、脱退。
ジョゼが要求するのは、抗争に反対するザイールが、ギルドから抜ける事だった。
「っ・・・!」
ザイールは悩んだ。
「抗争を起こしていいのか?負ける可能性の方が高いんだぞ?」という声が聞こえたと思えば、「でもアイツに危害を加える事に目を瞑ってていいのか?」と別の声が響く。
どっちもザイールの声であり、両方ともザイールの思いだった。
しばらく考えたザイールは、ゆっくりと口を開く。
「・・・俺がギルドから消えれば、アイツには何もしないんだな?」
「ええ、勿論。私とし
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