呪われし蛇髪姫
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口調で続けた。
「理由は単純さ。俺は抗争に反対したんだ。勝ち目はないから戦わない方がいい、と」
「え?」
「さっきお前に話したのと同じ事をジョゼにも言った。それを聞いたアイツは何て言ったと思う?」
そう言うザイールの脳裏には、記憶が流れていた。
まだ幽鬼の支配者に加入していた頃の、自分が正規ギルドの人間であった最後の日の記憶が―――――。
「マスター!考え直してくれっ!」
幽鬼の支配者、本部。
ザイールは必死にジョゼを説得していた。
つかつかと歩いていたジョゼの歩みが、止まる。
「考え直す?何をです?」
「妖精の尻尾との抗争の件だ!ハートフィリアの令嬢を連れ戻すのは依頼だからともかく、それ序でに抗争を起こそうなど馬鹿げている!俺達と相手の戦力を見れば結果なんて解るだろう!ギルド間抗争禁止条約を破ったという罪でファントムが解散するのが目に見えているじゃないか!」
抗争しようがしまいが、ザイールは本来なら興味を示さない。
―――――が、相手が妖精の尻尾なら、話は別だ。
「相手には妖精女王のエルザや海の閃光のティア、最強候補のラクサスやミストガンもいるんだぞ!?俺達の戦力では到底勝てない!」
相手は自分達と同等か、それ以上の力を持つギルド。
勝てる見込みはない。どちらかといえば自分達は敗北と解散に向かって1歩1歩歩いているような状況である。
「・・・勝てない?」
ジョゼの呟きにザイールは頷く。
足を止めてザイールに背を向けているジョゼはゆっくりと振り返り――――――
「デットウェイブ!」
ジョゼの右手から、怨霊のような魔力が飛び出した。
その魔力は床を割りながらザイールへと向かう。
「がああああっ!」
突然の事に対応出来なかったザイールは正面からデットウェイブを喰らい、壁へと叩きつけられる。
ザイールの体がズルリと床に落ちる前に、ジョゼの右手から放たれた魔力がザイールを壁へと押し付けた。
「くっ・・・」
「勝てない訳がないじゃないですか、ザイールさん・・・あんなクソみてぇなギルドに我々が負けるはずがねぇだろうが!」
「ぐあっ・・・!」
苦しさと痛みにもがくが、脱出出来ない。
相手はギルドマスターであり、聖十大魔道の1人。
聖十の魔法が相手では、ザイールの爆魔術も通用しない。
「いいですか?ハートフィリア財閥の令嬢があのギルドにいるとなると、妖精の尻尾はハートフィリアの財産を自由に使えるようになります。それだけは
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