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戦国†恋姫〜黒衣の人間宿神〜
十三章
戦(5)
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「さすが。正面に気を取られている鬼の死角を、上手く突いた。見事な采配ですね」

「珍しいな、詩乃がそう言うのは」

「用兵の仕方が、私とは全く違っていて、見ていてとても楽しいです」

「そうだな。ああいう子みたいなのが、仲間になってくれると心強いよ」

「それはこちらの都合でしかありませんからね。どうなるかは分かりませんが、ですが私には予感があります」

「俺の場合は勘だな」

「勘ですか。確かにそうかもしれませんね。戦い続け、鬼との最後の戦いの時に・・・・きっと日の本の武士達は皆、一真様の下に集まっているのではないかと、そんな予感がします」

「俺もそんな感じだな」

と俺は浮いていると、後ろから来る者達が来た。

「ハニーっ!」

「お頭ぁー!」

「何とか間に合いましたか・・・・っ!」

おやおや、ころに梅、それにエーリカまで来たよ。俺の事を探しているのか、きょろきょろしているがころは俺を見て言った。

「その姿は!もしかしてお頭ですか?」

「ころさん。こんなのがハニーな訳ありませんでしてよ『それが本当何だよねー』ハ、ハニーなんですの?」

「それは黒き甲冑ですか?」

「解釈は何でもいいや。それより一真隊集合!これがここでの戦いは最後だ。最後の力を振り絞って鬼を叩き潰す!」

「応っ!」

後方では森一家が暴れまわり、前方では和奏達母衣衆と共に、小寺衆、一真隊と黒鮫隊が連携を取りながら攻め立てる。鬼から見た立場は、たまったものではない。前後左右から、自分らでは敵わない荒武者達が、目の色を変えて襲い掛かってる。俺も行こうかとしたが、後程の戦いに温存したいので主に黒鮫隊射撃班と狙撃班でやってくれる。

「ひゃっはーっ!死ね死ね死ね死ねーっ!」

「おらぁもっと気合い入れて襲いかかってこいやぁ!んなちょろい頸なんざ刈る価値ねーんだよぉ!」

一部の奴らにとっては、歯ごたえ無いらしいが。織田勢の圧倒的な武力を前に、魔薬を飲んで鬼になった三好衆は、次々と駆逐されて行った。やがて二条館を囲んでいた鬼達は数を減らし、全ての鬼を駆逐した時は夜空に白々とした光が広がっていた。魂の浄化だ。

地上戦である人間対鬼との戦は終幕となった。次の戦は黒鮫隊対ドウター。屋敷にいた者、庭で鬼達と戦っていた者、隠れていた者、怪我していた者。皆が戦の終わりを祝うように庭へ集まって来る。俺はこの二条館の屋根で待機。久遠が来たが、俺は次の戦に集中しようと上を向いた。
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