十三章
神仏の共有
[1/3]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
俺は、詩乃と別れて行ったら通信機から詩乃の声が聞こえてきた。恐らくステルスモードになった者が盗聴をして俺に聞かせているのだろう。
『やれやれ・・・・』
『ふふっ・・・詩乃さんも良い人に惚れてしまったようですね』
『良い人ですが、戦闘になると戦闘狂になる御方ですし、心配もします。ですけど、一真様こそが天下無双の者何だと思いましたから』
『天下無双ですか。確かにそうですね。その天下無双の御方がいたからこそ、織田家は順風満帆、上洛まで漕ぎ着けた、と思っております。他勢力よりも先んじての上洛が持つ意味は、とてつもなく大きい。これからは上洛だ、侵略だ、などと言える日の本ではなくなるでしょうから』
『日の本全土を巻き込んだ、鬼との戦が繰り返される事になる。・・・・そう考えていらっしゃるのですか』
『越前での手際。そして魔薬の存在・・・・稀なる存在だった鬼が、こうまで表舞台に出てきた以上、力の劣る人という種の天敵になる可能性が高いでしょう。ですが、我が方にも薬となる男性がいる・・・・それが救いです。久遠様もそのことに気付いたのでしょう。織田久遠の恋人であり、なおかつ足利公方・一葉様の恋人でもある、という奇手を打った。つまり有力大名で彼の人を共有すれば、彼の人を中心にして日の本中の力が集まる』
『その力でもって鬼を破ると?そんな事が果たして可能なのでしょうか』
『実際、天上人や田楽狭間の天人、または神の再臨などと呼ばれるだけであった彼の人は、名だけでなく実もあることを、何度も何度も披露してしまいましたから。となれば向後、他の有力大名に、協力を要請したとしても天上人の名聞と力を利用して天下を狙う・・・・そんな私心が織田にあるのでは、と勘ぐられるは必定でしょう。しかし名聞も力もある天上人を、皆で共有する姿勢を織田が示すというなら、乗ってくる勢力も出てくる』
『そのような手があったのですね』
『悩みに悩まれて・・・・ですが決断されたようです』
『でもそうなったら・・・・ふふっ。久遠様も詩乃さんも、恋敵が増えてしまって、女としてはやりきれませんね』
『まあ・・・・神仏を独占ではなく、皆で共有するものであると考えれば、あの方は平等に愛する事でしょう』
『確かに、あの方は本物の神仏。独占するとバチが当たりますね。天守教のデウス様みたいに』
『さて、戯言はここまでにしておきましょう。エーリカさん、明智衆と長柄の指揮を頼みます』
『はい。お互いに、無事に再開致しましょう』
『・・・・(コクッ)』
なるほどな、神仏を共有するか。久遠もなかなかいい考えをするな。確かに神は独占するものでもないしな。さてと、俺は少し離れたところで準備完了なので一葉と鞠との合流をしていた。
「へーくし
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ