十三章
情報交換×敵軍発見
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「そして今に至る。と、そう言った次第です」
「俺達の進軍が、結果的に刺激してしまった訳ね」
「構わんさ。いつかこうなる事は予見していた」
「そうです。織田殿の動きが速かったからこそ、敵が動く時機を掴み損ねたのですから、一真様は何も悪くはありません!」
「それはそうだが、少し落ち着け、双葉」
「ご、ごめんなさい」
「・・・・ふむ。なるほど。そう考えれば松永の動きも辻褄が合いますかな」
「確かに・・・・」
「そうだな。織田の動きが速さに狼狽し、三好衆が鬼の力に頼る事になったからか、その心根が気に入らないから弾正少弼は織田に降ったという訳ね」
「弾正少弼が織田に参っただと?どういう事だ?」
俺は首を捻る一葉に、白百合が織田に降った経緯を詳細を加えて説明する。
「なるほど。薬に頼って戦うなどと、武士の風上にも置けん所行が気に入らんという訳か。・・・・あくまで己の力のみで事を成し遂げたいのであろうな。外道に与する程、堕ちてはおらん、か・・・・誠に奴らしい言い様だ」
関心しているのか、それとも皮肉ってるのか。白百合の言葉を口真似しながら一葉は笑う。
「三好衆が手に入れた、その薬とやらは一体、どのようなモノなのでしょう」
「あれは薬と言えるモノではないぞ」
と言いながら、あの丸薬の成分を調査結果の紙を出す。俺は一度見たがやはりかと思ったけどな。
「どういう事です?」
「あれは鬼の体液を濃縮したモノだと分かった。飲んだ者は、身体と心を悪に染めて鬼になってしまう。魔薬というべきだ」
「ふむ・・・・つまりその魔薬とやらを飲んだ者はすべからく鬼になってしまう、という事か」
「そうだ。一応実験動物にやってみたら鬼化したよ。その後排除したが。調査した丸薬も処分。その魔薬を、ザビエルが強壮剤で巻いてるなら越前で起きてる事と同じ事が、三好衆でも起こるだろう」
「どういう事だ?」
「越前は既に武士の国ではなく、鬼が跋扈する土地と成り果てた。・・・・そういう報せが入っているのです」
「つまりだ。ザビエルは日の本全土に魔薬をばら撒くための実験台として、越前一国と三好衆を利用したんだろうな」
「・・・・となれば、三好衆が鬼となって余らの頸を取りに来るという事か。・・・・ゾッとせんな」
「お姉様!そのような戯言を仰っている場合ではありません!」
「落ち着け双葉。狼狽えても仕方があるまい。・・・・相手が三好衆であれ、鬼であれ、今の余に何の力も無い事実は変わらんのだ。やる事は一つ。久遠が来るまで二条館を守りきる。・・・・ひいては双葉、そちを守り、幕府の礎を残す事こそ、余のすべきたった一つの事だ。例え誰が相手であろうとも、この刀に賭けて。命ある限り余はそち
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