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第三十八話 歪んだ世界
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備員の顔が真っ青になる。すぐさま、残りの警備員にも声をかけて逆に彼女らを取り押さえた。
僕らが話しているのが聞こえていなかったのか、勝ち誇ったような顔をしていた女性たちの表情が変わる。
「ちょ、何してるのよ!」
大声で捲し立てるが、警備員が僕たちのことを説明するとその顔から血の気が失っていくのがわかった。
「あなた方のような存在が、この世の中をおかしくしているのです。男性だって、ISの開発や整備に携わっているのですよ? ただ、女性というだけであなたが偉いはずありません。それに、ISも動かせることなんて大したことではないんです。大事なのは……それで何を成すかです」
僕の言葉に、彼女らは項垂れてそのまま連れられていった。
去り際に、警備員の方々が軽く敬礼のようなポーズをしていたのが照れくさかった。
ガラじゃない、自分でもそう思う。
IS学園の生徒という立場を利用して説教じみたことを言い、彼女らを必要以上に辛い立場に追いやってしまったかもしれない。
それでも……束さんが作ったISがあんな連中のせいで穢されているようで、いい気分ではなかったんだよなぁ。ましてや、デュノアさんや織斑君がその対象になっちゃうと……ね。
「あ、あの。西園寺さん! ありがとう、あと巻き込んでごめんなさい!」
「僕からも……ありがとうございます」
「いえ……お恥ずかしいところをお見せしました。ですが、織斑君。あなたが先ほど彼女に対して言っていたことはまったく正しいのですが、残念ながら今はそれが認められるとは限りません。下手をすればデュノアさんを巻き込んでいました」
彼は知らなかったとはいえ、下手をしたら彼女の素性がバレていたかもしれない。まぁ、それを抜きにしても彼の対応はお世辞にもよかったとは言えない。
……我を通す意志は好ましく思えるし、羨ましくもあるのだけれど。
「そ、それは……」
「間違っているとは言いません……ですが、あなたが自分の意志を貫きたいのなら、力をつけてください。世界中があなたを知り、男女の優劣なんて存在しないことを証明してください。ね」
「は、はい!」
このままだと、彼がいつか潰れてしまう気がしたから、これは僕のお節介。
ちょっと顔が赤い気がするけれど、大丈夫? ちゃんと理解してくれただろうか。
「うわぁ、鞭とアメって調教とか洗脳の手口じゃ……。それにあんなにカッコイイところ見せられて、僕だって今一瞬、男としてドキっとしちゃったよ」
デュノアさんが何かブツブツと呟いているけど、全部聞こえているよ、失礼な! それに男としてってどういうこと!? あなた女性でしょう、せめて女の子としてドキッとしてほしいんですけど!
いろいろあったけれど、その後は何事
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