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第三十八話 歪んだ世界
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自分の立場が分かっていないようね。ちょっと、警備員呼んできて」
「ん、了解。まったく、男は黙って女の言うこと聞いていればいいのに」
そう言い、一人が立ち去ってしまう。
はぁ……仕方ない。
「私の友人が何かしましたか?」
そう言い、割って入ると女性と目が合った。人を見下したような……腐った目だ。
「なに? あんたの男? 二人も侍らせていいご身分ね、躾ぐらいしっかりしなさいよ。ま、もう遅いけどね」
「ですから、私の友人があなたに何をしたかと聞いているのです」
いい加減、身勝手な女の言い分に僕の頭の中がザワついているのが分かる。自然と語気も荒くなってしまう。
「さ、西園寺さん?」
後ろで織斑君が僕のいつもと違う態度に戸惑っているみたいだけれど、もう止まらない。
「な、なによ。そいつらが私らの言うこと聞かないから……」
「何故、彼らがあなたの言うことを聞かなければいけないのですか?」
「そんなの、男だからに決まってるじゃない! 男なんて女の」
「お黙りなさい!」
「ひっ!」
もう、聞くに堪えない。
今までは自分がその対象だったから耐えられたけれど、それが織斑君やデュノアさんにまで及ぶのを見て、平然といられるわけがなかった。
「なぜ、男だからというだけで女の言うことを聞かなければいけないのですか?」
「あ、ISが動かせるからに決まっているでしょう!」
「なるほど、ではあなたはさぞ上手にISを動かせるのでしょうね。是非ご教授いただきたいのですが」
「え、そ、それは……」
言葉を詰まらせる女性のもとに、先ほど離れたもう一人が戻ってくる。
「美紀、警備員呼んできたわよ……って誰よこの子」
「あ、遅いじゃない! こ、こいつらに暴力を受けたの、連れて行って警察に引き渡してちょうだい!」
信じられないけれど、これでも男側が一方的に有罪になることがあるのが今の世の中。
あまり気分がいいものではないけれど、それも一つの世の中の流れだ……でも、それが僕の周囲に牙を剥くのなら……許さない。
「……君たち、ちょっといいかな」
警備員たちが問答無用で僕らを連行しようとする。
彼らも本当はどちらが悪いかなどわかっているのだろうけれど、下手をすれば自分たちがクビになる可能性がある。だから僕に彼らを責めることはできない。
「ご苦労さまです。私たちはIS学園の生徒です、こちらが学生証ですね。あ、ちなみにあちらの二人もですよ、ご存知ですよね。現在世界でたった二人の男性操縦者です。えぇ、そちらの女性たちに一方的に絡まれまして、困っておりました。特に彼はフランスの代表候補生ですし、下手をしたら国際問題になってしまいますね」
状況を理解したのだろう、警
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