水の巫女の再来・後編
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────火のクリスタル祭壇前にも、例の黒く渦巻く次元の裂けたような空間が現れている。
「また………あのマゥスンって赤魔がいたりして、火のクリスタルだけに」
「……いや、それはないかもしれん。"彼"のあの様子からして────」
「あ! 彼女、また先に行っちゃったよ…?!」
「あぁもう、これ何の意味があるのかしら…!」
「エリアが元気になるためかもしれないだろ、とにかく行ってみようぜっ!」
ルーネス、イングズ、アルクゥ、レフィアの4人は、今度は火のクリスタルから成る次元の裂け目にエリアらしき彼女を追って踏み入る。
しかし───その瞬間、意識が混濁し逆流していくかのような凄まじく不快な感覚に襲われ、すぐに気が遠のいてゆく─────
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
(さぁエリア、これからはずっと一緒に……!)
(ルーネス、さん……。あ………?!)
(え、エリア……!? シーフっぽい、黄緑のバンダナした奴がエリアを浚って────)
『はっはー! この美しい少女は貰ったァー!!』
(エリアーーっ!!?)
「────もしもーし、生きてますかー?」
「───へっ、なんだ……?!」
どこかイタズラっぽい男子の声がしてルーネスが意識を戻すと、町の一角らしき場所で自分が倒れているのに気づく。
……そして間近には、茶髪のツンツンはみ出た頭に黄緑のバンダナ、緑の軽装姿でサファイア色の目をした青年が屈んだ姿勢でニヤリと笑い掛けている。
「うわっ、誰だあんた?! てか、さっきの……っ」
「オレですか? 名前聞いてんの? 忘れましたねーそんなもの。シーフでいいですよ、見た目通り!」
「ここ、は? どこ、なんだ………他の、みんなは────??」
「シンキロウの町ですねー。キミのナカマっぽい人らは、そことそこに倒れてますよー」
シーフが指し示した先に、レフィアとアルクゥが俯せているのが見てとれる。
───しかし、それ以外にも人はいるのだが、何故か歩き姿勢や立ったままピクリとも動かない。まるで静止画のように────
「どうなって………いや、とりあえずレフィアとアルクゥを……! 二人とも、起きてくれよっ」
「───ん〜、何ようっさいわねー!………あら?どこよここ??」
「う〜ん、頭痛い………。あれ、人が………止まってる??」
「なぁ………シーフのあんた、他に二人、知らないか? 二人とも、金髪で………ってまさか、エリア浚ったんじゃないだろうな!?」
「は? えりあ? ───あぁ、あの美少女さんねー。美男子さんもいましたけどー」
「お、おいあん
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