水の巫女の再来・後編
[3/13]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
───
「勝手に独りでカッコつけて死ぬなーー!!」
タマオンナ = カロフィステリの強力な魔法の一撃から、ルーネスが体ごとイングズを庇って躱す。
「 ルー、ネス………? 」
「バカヤロー! 独りで立ち向かう相手じゃねーだろ?!」
怒っていながら、そのアメジスト色の瞳は涙に滲んでいる。
「……そーだねー、独りじゃムリあるよねー。だがよく持ち堪えた! ごほーびにラストエリクサーあげよう!」
いつの間にかあのシーフも付いて来ており、瀕死に近いイングズに貴重な回復アイテムを使って全快してくれる。
「あ、有り難い………助かった」
「全く、人には無茶するなとか云って自分がそうしちゃって……! あたしこれでも武器になるハンマー持って来てるのよ!」
「僕だって……! アルスを守れるように、槍の修行してるんだよ!」
レフィアとアルクゥが臆せず前に出る。
「すまない、皆……。取り込まれた彼女を救うのに、頭が一杯だった」
「独りじゃ無理でも、いつものみんなが揃ったんだ! 向かう所敵なしだっ!」
「───ン〜、それでもあのタマオンナ相手じゃヤバいぜ? コレ使えよ、オレがあるヤツから盗んだとっときの[アルテマウェポン]!」
つとシーフが、ルーネスに蒼く透き通る刀身のブレードを放って寄こす。
「うおっ、重?! いや、見た目より軽!?」
「ソイツをサクッとタマにやれッ。───ほれ、痺れを切らしたオンナが攻撃してくっぞ!」
「おぉ! 何かよく分かんねーけど、やってやるぜっ! 今助けてやるからな、エリア……!
せぇりゃあぁっ!!」
魔法攻撃をアルテマウェポンで弾きつつ、素早く距離を詰め跳躍して黄緑の玉に大きく斬り込むルーネス。
───するとカロフィステリは声なき声を上げて消滅していき、緑の玉は音を立てて割れ、その中から黄緑の液体に濡れそぼった彼女が出てくる。
「エリア! エリア……! 大丈夫かっ?」
「────ん、平気。見つけたの───あの中で」
彼女は気を失っておらず、その手の中には透き通る蒼い石の欠片が握られている。
「そ、そっか。よく分かんないけど、よかった……っ」
「おいオマエら、用済ンだろ、還れよッ」
何故か口調の変わったシーフが、仏頂面でそう云ってくる。
「何よ、いきなりその云い方はないでしょ! あなたのお陰だったのは認めるけどっ」
「魔法も跳ね返すなんて、すごい剣だよねアルテマウェポン……!」
ちょっとムッとするレフィアと、感心するアルクゥ。
「おぉそうだ、返せよソレ」
「あ、うん………」
名残惜しそうに手渡すルーネス。
「ほれそ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ