第七十三話 雪その九
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大きな雪が多く止むことなく降った、そうして。
学園は忽ちのうちに白く化粧された、それで終わらず。
さらに積もっていた、琴乃は五限目が終わってからだった。
窓から外を見てだ、こう言った。
「止まないわね」
「ええ、ちょっとね」
「かなりの勢いね」
「二十センチは積もるかしら」
こうクラスメイトに言った。
「この勢いだと」
「積もるでしょ、これは」
「二十センチどころかね」
「もっと積もるかも知れないわよ」
「さらに」
「うわ、明日学校行けるかしら」
琴乃はそう聞いて顔を顰めさせて言った。
「そんなのだと」
「無理かもね」
「バス動けないかも」
「電車もね」
「寮から行くのも大変よ」
寮生のうちからも言葉が出た。
「この勢いで降られたら」
「じゃあ明日は臨時休校?」
「それ?」
「そうかもね」
その可能性も囁かれるのだった。
「だってこの勢いでさらに積もるとね」
「バスが動けないからよね」
「電車も停まるし」
「自転車もバイクも無理だし」
「歩いてでも辛いから」
「寮から学校に行くことも」
その寮生の娘が話す。
「こんなのだとね」
「辛いからね」
「だからなのね」
「この勢いのまま積もると」
「それこそ」
「休校もね」
有り得るというのだ。
「明日はね」
「止むかしら」
琴乃は窓の外からその雪が降り続けている空を見上げつつクラスメイト達に尋ねた。
「これだと」
「天気予報だとないみたいよ」
「ああ、やっぱり」
「明日の朝までね」
それこそ、というのだ。
「降るみたいよ」
「そうなのね、それじゃあ」
「本当にこれはね」
「臨時休校ね」
「それあるわね」
「これだと」
クラスメイト達も言う、そしてだった。
校内放送がかかってきた、それによると。
今日は部活はなしだった、それでだった。
「皆早く下校ね」
「六限目が終わったら」
「もうそれでなのね」
「今日は終わりなのね」
部活は全て中止になった、その詳しい内容は。
全生徒に六限が終わると帰る様に告げられた、そしてだった。
琴乃はだ、さらに深刻な感じの顔になってクラスメイト達にこう言ったのだった。
「これはもうね」
「明日はね」
「臨時休校ね」
「ありそうね」
「明日何しろっていうのよ」
学校が休みで外にも出られない、それならというのだ。
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