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万華鏡
第七十三話 雪その七

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「今みたいに和風だと白ワインにしてるのよ」
「ワインの方が身体にいいから」
「そっちにしてるのよ」
「そうだったのね」
「お酒は量とか飲むものも考えてね」
 そうしてというのだ。
「健康第一よ」
「お酒を飲むにあたっても」
「そういうことよ。折角身体にいいもの食べてるから」 
 母は鍋の中の葱、豆腐と一緒に煮られているそれを椀の中に入れた。そのうえでこうしたことを言ったのである。
「お酒もね」
「健康に気をつけて」
「そういうことにしなさいね」
「わかったわ、じゃあ」
「今はどうするの?」
 母はその葱を食べながら娘に問うた。
「飲むの?」
「ううんと、今はいいわ」
「休肝日にするのね」
「いつも飲むとよくないからね」
 琴乃もそれはわかっていた、それで言うのだった。
「だからね」
「そういえば琴乃ちゃん飲まない日も多いわね」
 つまり休肝日を設けているというのだ。
「そうね」
「うん、何となくだけれどね」
「飲まない日を置いているのね」
「前からね」
「それはいいことよ」 
 母もいいと言うのだった、琴乃が休肝日を設けていることは。
「そうして休む日も必要だから」
「そうよね」
「そうして時々飲まない様にして」
「飲む時もなのね」
「飲む量も考えてね」
「それじゃあ」
「後明日はかなり冷えるらしいわよ」 
 酒の話からだ、母は琴乃にこの話もした。
「相当にね」
「そんなに?」
「何でも雪が降るとか」
「えっ、雪もって」
「だから寒さには注意してね」
 それはくれぐれにというのだ。
「後は雪だったら」
「足場ね」
「そう、それにも注意してね」
「わかったわ、遂に降るのね」
「若しかしたらね」
「今年はまだ降ってなかったけれど」
「何でも大雪らしいわよ」
 ただ降るだけではないというのだ、大雪だというのだ。
「だから注意してね」
「それじゃあね」
 琴乃は母とそうした話をして今は温かい食事を楽しんだ。そして母が言った通りになった。朝琴乃が学校に行く時にだ。
 その途中で上からだった、最初はふわりと。
 そして次第に多くだ、雪が降ってきた。
 その雪を見てだ、琴乃は一緒に登校しているプラネッツの面々に言った。
「降ってきたわね」
「ええ、寒いと思ったら」
「もうなのね」
「降ってきたわね」
「遂にだよな」
「積もるかしら」
 ここでこう言った琴乃だった。
「やっぱり」
「何でも大雪らしいから」
 里香が言ってきた。
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