暁 〜小説投稿サイト〜
少年と女神の物語
第七十四話
[2/3]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
・神といえば、ナーシャはなんなんだ?」
「ナーシャがどうかしたのか?」
「いや、ほら。霊視があっただろう」

 よく覚えてるなぁ、そんなこと。
 俺はもう忘れてたよ。

「・・・俺、確かに幽界ではダグザの権能でナーシャの頭の中を覗けたんだよ」
「そう言っていたな。幽界から脱出する方法を探していたんだったか?」
「そう。それに、あの場・・・シヴァと戦ってる最中も、こっち側で頭の中を覗けた」

 あの時、頭の中を覗けたからこそ助けることが出来たんだ。
 なんだけど・・・

「普段、何にもしてない普通のときとかは、覗けないんだよな」
「今みたいな時か?」
「そう。例えば今やってみても・・・無理なわけだ」

 実際にやってみたが、全然覗けない。
 ついでにすぐ隣にいるリズ姉の頭を覗いてみると、それは覗ける。
 ということは、権能が作用していないわけではないのだろう。

「なるほど・・・どんなやつの頭は覗けないんだ?」
「神様と、カンピオーネ。アテや護堂の頭の中は覗けないんだよな」
「それは例外なく、か?例えば、神格を封印している今のアテでも?」
「そう。今のアテでも覗けない」

 他の色んな人で試してみても、俺が覗けるのははっきりと決まってる。
 だから、ナーシャみたいな例はかなりのレアなんだけど・・・

「原因が、分からないな」
「そう。原因に心当たりすらない」
「なら、人間以外の動物だとどうなんだ?例えば、あのカニとか」

 リズ姉が指差す先には、小さいカニがいた。
 試しに使ってみると・・・

「人間の言語じゃないから、何にも分からない」
「覗けるのか?」
「かなりモヤがかかった状態で。これ、覗くだけ無駄だ」

 なんか、色々と違和感だった。一生、動物の頭なんて覗くもんか。

「なら、狐鳥はどうだ?狐鳥も普通の人間じゃないだろ?」
「神代家に普通の人間はいないよ」
「そう言う意味じゃなく、だ」

 ・・・まあ、確かにそうなんだよな。
 狐鳥もまた、普通の人間じゃない。
 生まれは人間だけど、な。

「それでも、狐鳥の頭の中は覗ける。今は、眠いみたいだな」
「そう言うのも分かるのか」
「眠い時って、思考がグチャグチャになるから」

 まあ、ちゃんと布団の上にいるみたいだし、大丈夫か。
 まだ幼いんだから、眠いときには寝ないと。・・・五年生はそうでもないのか?

「となると、特殊すぎる体質だから、というわけでもない。なら他に何があるんだか・・・」
「少なくとも、ナーシャは自分のことを人間だって言ってたしな」

 一応、確認は取ったのだ。
 だけど、ナーシャは人間だって言ってた。このメンバーの中で、ウソはつかないだろうし。
 なにせ、既にカン
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ